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冷徹皇太子の唯一の公女  作者: はるさんた


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第20話 朝――二人だけの甘い目覚めと囲い込み


朝日が宮殿の大きな窓から差し込み、淡い光が寝室を柔らかく照らす。

昨夜の甘い時間の余韻がまだ体に残る中、アメリアはゆっくりと目を覚ました。

隣には、穏やかに眠るリュシアンの姿がある。


「……殿下……」

小さく名前を呼ぶと、リュシアンは目を細めて微笑む。

「おはよう、アメリア」

低く落ち着いた声に、アメリアの胸は自然と高鳴った。


まだ眠そうなリュシアンは、そっとアメリアの手を取り、指先で優しく撫でる。

「昨夜は……よく眠れたか?」

「はい……殿下と一緒だから、とても安心して……」

アメリアの声に、リュシアンは頬をわずかに緩め、胸の中で小さく息をつく。


「だが……無理はするな。今日はゆっくり、部屋で過ごそう」

リュシアンは静かに抱き寄せ、腰に手を回して包み込む。

「殿下……」

アメリアはその温もりに身を任せ、頬を赤くしながらも甘い吐息を漏らす。


「俺のそばからは……絶対に離れるな」

リュシアンの低い囁きに、アメリアは小さく頷き、体をさらに押し付ける。

「はい……殿下……ずっと、そばにいます……」


二人はまだ朝の柔らかい光の中、ゆっくり唇を重ねる。

最初は軽く優しいキスだったが、次第に互いの感情が溢れ、深く濃密なものへと変化していく。

アメリアは手をリュシアンの背中に回し、リュシアンも腰に手を回して抱きしめる。


「アメリア……今日一日、いや、ずっと俺のそばにいろ」

「はい……殿下」

リュシアンは微笑み、額や頬、唇に軽くキスを落としながら、独占的な愛情を示す。


部屋の外では宮殿の使用人たちが朝の準備をしているが、二人には関係のない世界のように感じられた。

窓から差し込む光と、寝室の静かな空気が二人だけの世界を作り出す。


「殿下……私、本当に殿下のものになってもいいんでしょうか……」

アメリアの不安そうな問いに、リュシアンは首を振り、額にそっとキスを落とす。

「まだ不安なのか?だが何度でも言う……絶対に俺のものだ」

抱きしめながら、髪や肩、背中に軽くキスを落とし、まるで世界を二人だけのものにしたかのように囲い込む。


朝の柔らかな光の中、二人は抱き合い、唇を重ね、囁き、互いの鼓動を確かめる。

リュシアンの低い声と優しい手つきに、アメリアは甘く胸を締め付けられる。


「他の誰にも……君を渡させはしない」

「殿下……私も……」

二人だけの寝室は、光と影、甘い吐息と囁きに包まれ、宮殿中の誰も、何も、二人の愛を邪魔できない。


その朝、アメリアは心の奥で確信する。

(私は……殿下だけのもの。誰よりも大切にしてくれる……)

そしてリュシアンもまた、胸の中で強く思う。

(アメリア……誰にも渡さない……ずっと俺だけのものだ)


朝のひととき、二人の愛は深まり、光と温もりに包まれ、まるで時間さえも止まったかのように甘く濃密な空間が広がっていた。



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