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冷徹皇太子の唯一の公女  作者: はるさんた


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第18話 婚約式後のパーティー――華やかに揺れる愛


夕暮れが宮殿の大広間を柔らかく染め、金色の光が床やシャンデリアに反射して煌めく。

婚約式の厳かな雰囲気が終わり、今度は宮廷の華やかなパーティーが始まろうとしていた。


アメリアは先ほどまでの純白のドレスから、柔らかいクリーム色のドレスに着替えていた。

肩のラインが優雅に見えるデザインで、裾には軽やかなフリルが重なり、動くたびにふんわり揺れる。

首元には小さなゴールドのネックレス、耳にはパールのイヤリング。髪はゆるく巻いたまま後ろで少しまとめ、控えめながらも華やかさを増している。


「……やっぱり、昼の純白もよかったけど、夜はこの色で正解かもしれない」

アメリアは鏡の前でそっと呟き、深呼吸をする。


その時、扉が静かに開き、リュシアンが現れる。

白と紺を基調とした礼服に身を包み、肩には勲章が光る。

彼の視線は最初からアメリアだけを捉え、宮殿の華やかな雰囲気の中でも周囲に一切の目を向けない。


「アメリア……今日も君は美しい」

低く落ち着いた声に、アメリアの胸は跳ねた。

「殿下……」

思わず小さく名前を呼び、手を握り返す。


会場には宮廷中の貴族や使用人が集まり、柔らかい音楽と笑い声が響く。

金色の装飾やシャンデリアの光が、ドレスのフリルや髪の巻き髪に反射し、アメリアはまるで光に包まれているかのように見えた。


リュシアンはそっとアメリアの手を取り、広間を歩きながら微笑む。

「君が俺の隣にいるだけで、全てが完璧に見える」

アメリアは耳まで赤くなりながらも、安心と幸福で微笑む。


周囲の貴族たちも二人の美しい姿に目を奪われ、静かに祝福の視線を送る。

中には囁き合う者もいて、「冷徹だと噂の皇太子が、あの公女にだけ微笑んでいる」と口にする声もあった。

アメリアは胸の奥でドキンとする。

(やっぱり……私だけを特別に見てくれているんだ……)


舞踏会が始まると、リュシアンはアメリアを優雅にエスコートする。

「踊ろう、アメリア」

「はい……殿下」

二人は広間の中央で軽やかにステップを踏む。

クリーム色のドレスが柔らかく揺れ、照明に光を反射して輝く。


踊りながらも、リュシアンの視線は常にアメリアだけを追っている。

他の貴族が視線を送ろうとすると、彼の微かな眉の動きや鋭い目つきが、無言の警告となって周囲を静める。

アメリアは胸の奥で甘い感情が込み上げる。

(殿下は……本当に私だけを見てくれている……)


舞踏会の途中、二人は静かな窓辺へ移動する。

外には宮殿の庭が広がり、夜空に浮かぶ月光が花々を照らしている。

リュシアンはアメリアをそっと抱き寄せ、耳元で低く囁く。

「今日はずっと……俺のそばにいてほしい」

アメリアは甘く息を漏らし、リュシアンの胸に顔を寄せる。


唇が触れ、軽くキスを交わす。

周囲の喧騒は遠くに感じられ、二人だけの世界が広がる。

リュシアンは優しく額にキスを落とし、囁く。

「君は……俺だけのアメリアだ」

「私も……殿下だけのもの……」

アメリアの囁きに、リュシアンは微笑みながらぎゅっと抱きしめる。


その後もパーティーは続き、二人は周囲の祝福を受けつつも互いの存在を確かめ合う。

笑顔と甘い視線が交錯する中、アメリアのクリーム色のドレスは柔らかく揺れ、宮殿の光と音楽に包まれて輝き続ける。


婚約式とパーティーを経て、二人の愛はより深く、そして宮廷中に知れ渡る特別なものとして刻まれたのだった。

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