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冷徹皇太子の唯一の公女  作者: はるさんた


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第15話 婚約式の準備と甘い日々


柔らかな光が大理石の床に反射し、廊下を黄金色に染めていた。

アメリアはリュシアンに呼ばれ、少し緊張しながらも静かに廊下に立つ。


「アメリア……そろそろ、婚約式を執り行おうと思う」

低く、しかし独占的な声に、アメリアの胸は跳ねるように高鳴った。

(殿下……ついに……私、本当に……)


「え……そ、そんなに急に……」

戸惑いながらも、心の奥では嬉しさが込み上げる。

リュシアンは微笑みながら、アメリアの手を取ると自分の胸にそっと当てた。

「君がいるから、他の誰よりも特別な式にしたい。俺と君だけの一日だ」


アメリアは頬を赤く染め、ゆっくりと頷く。

「はい……殿下……私だけを……」




数日後、宮殿の衣装室は光に満ちていた。

壁一面に並ぶシルクやレースのドレスが揺れ、淡い色の布地が光を受けて輝く。

アメリアは息をのむ。

「……どれも素敵で……迷ってしまいます」


リュシアンはアメリアの後ろに立ち、肩に手を回して囁く。

「この淡いクリーム色……君の清らかさにぴったりだ」

アメリアは手で布地に触れ、小さく頷く。

「はい……殿下……これにします」


試着を終え、髪型やアクセサリーの選定に移る。

リュシアンは鏡越しにアメリアを見つめ、指先で髪を整える。

「この編み込みはどうだ?」

アメリアは恥ずかしそうに視線をそらす。

「殿下……その……とても素敵です……」


リュシアンは微笑みながら囁く。

「今日の君は、誰よりも美しい……宮廷の誰もが羨むだろう」

アメリアは胸の奥で甘い熱を感じ、頬を赤くする。

(殿下……私だけを見てくれている……)



衣装と装飾の選定が終わると、二人は宮殿内を歩きながら、式の段取りや招待客について話す。

リュシアンは時折アメリアの手を握り、そっと自分の腕に引き寄せる。

「俺のアメリア……今日も、式の間も、ずっと俺だけのものだ」

アメリアは胸の奥でドキドキし、そっと頷く。

「はい……殿下……ずっと私だけを……」


宮殿の使用人や侍女たちの視線が二人に向く。

リュシアンは普段の冷徹な表情を忘れ、アメリアをそっと抱き寄せる。

「誰にも渡さぬ……俺のアメリアだ」

アメリアは胸の奥で甘く震え、目を潤ませながらリュシアンを見上げる。



リュシアンの提案で、婚約式は数か月後に設定された。

その間も、二人は宮殿内で特別な時間を積み重ねていく。


ドレスや小物の微調整


式の練習


宮廷での打ち合わせや手紙の確認


二人だけの甘い散歩やお茶の時間



リュシアンはそのたびにアメリアに囁く。

「今日も、ずっと俺のそばにいるんだ……誰にも渡さぬ」

アメリアは胸の奥でドキドキし、頷く。

(はい……殿下……ずっと私だけを……)


宮殿内の視線やざわめきも、二人の世界では霞むように、甘く濃密な時間に変わっていった。



ある日、中庭でリュシアンはアメリアを軽く抱き寄せる。

「式当日も、一瞬たりとも君のそばから離れない……俺だけのアメリアだ」

アメリアは小さく息を漏らし、胸の奥で甘い鼓動を感じる。

(殿下……本当に……私だけを……見てくれている……)


こうして数か月にわたる準備期間の間も、二人だけの甘く濃密な時間が流れ、婚約式への期待は日に日に高まっていった。

アメリアは心の奥で確信する――私は殿下にとって唯一無二の存在。

リュシアンもまた、胸に抱いたアメリアを意識し、誰にも渡さぬ決意を新たにする。

――俺だけのアメリアだ、と。




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