第13話 午後の二人と甘い独占
午後の宮殿は、昼間の喧騒が少し落ち着き、柔らかな日差しが大理石の廊下に差し込んでいた。
アメリアはリュシアンと並んで歩きながら、胸の奥で甘い期待が膨らんでいた。
「殿下……午後はこうして二人きりでいられて、嬉しいです」
アメリアが微笑むと、リュシアンは低く、独占的な声で囁く。
「俺もだ……俺のアメリアだ。誰にも渡さぬ」
廊下の向こうから、遠くに貴族たちの小さな噂話がかすかに聞こえた。
「皇太子殿下、冷徹で有名なのに……あの公女にだけ優しいらしい」
「殿下のお気に入りなんだとか」
アメリアの頬は熱く染まり、胸が甘く高鳴る。
(やっぱり……私だけが……殿下の特別……)
リュシアンと二人きりでいる中で聞く噂は、逆に心を温かくし、胸の奥で甘いときめきを広げた。
リュシアンもまた、微かに眉をひそめる。嫉妬心がちらつく。
(誰がアメリアを見ている……俺のものなのに……)
彼はアメリアの手を強く握り、低く囁く。
「俺のものだ……誰にも触れさせぬ」
アメリアは胸の奥で甘く高鳴る鼓動を感じ、体を自然と彼に預ける。
「はい……殿下……私だけを……」
囁くように答えるアメリアに、リュシアンは微笑みながら頬を撫でる。
二人は宮殿の奥にある、静かで落ち着いた小部屋へ移動した。
ここでは宮廷の噂も視線も届かず、二人だけの世界が広がっている。
リュシアンはアメリアをそっと抱き寄せ、額を重ねる。
「今日も……ずっと俺のそばにいてくれ」
低く甘く囁く声には、独占欲と愛情が混ざっていた。
アメリアは頬を赤く染め、胸の奥の熱に身を震わせながら微笑む。
(はい……殿下……私は殿下だけのもの……)
リュシアンは唇をそっとアメリアに重ねた。
柔らかく、甘く、しかし熱を帯びたキス。
アメリアは息を漏らし、体を彼に委ねる。
(殿下……私だけ……)
キスの後、リュシアンは軽くアメリアの背を抱き寄せ、低く囁く。
「他の誰が君を見ても……俺のものだ。早く結婚して、ずっと俺だけのものにしたい」
アメリアは目を閉じ、胸の奥で甘い高鳴りを感じながら頷く。
(はい……殿下……ずっと私だけを……)
リュシアンは微笑みながら、耳元でさらに囁く。
「噂を聞いただろう……誰も俺たちの間には入れない」
アメリアは頬を赤くし、胸がぎゅっと熱くなるのを感じた。
彼の腕の中では、外の世界のすべてが遠くなる――二人だけの甘い世界が広がっていた。
静かな午後、光に包まれながら、アメリアとリュシアンは心と体で互いを確かめ合った。
アメリアは心の奥で確信する――私は殿下にとって唯一無二の存在だ、と。
リュシアンもまた、胸に抱いたアメリアを意識し、誰にも渡さぬ決意を新たにする。
――俺だけのアメリアだ、と。




