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冷徹皇太子の唯一の公女  作者: はるさんた


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第12話 昼下がりの独占と甘い約束



昼の宮殿は、柔らかな日差しに包まれ、庭園からは小鳥のさえずりと使用人の声が混ざる。

アメリアは侍女のマリアと一緒に、午後の庭園を歩いていた。


「アメリア様、今日は少しお疲れでは……?」

「ええ、でも大丈夫です」

微笑むアメリアだが、心の奥はまだ朝の出来事に揺れていた。


すると、庭の奥からリュシアンの姿が見えた。

彼が近づくと、マリアは瞬時に状況を理解し、さっと視線を落として庭の奥へと歩き去った。

「マリア……」

「はい、アメリア様、失礼いたします」

小さな気遣いに、アメリアは頬を少し赤らめた。


リュシアンが歩み寄り、低く甘い声で囁く。

「今日は……俺のそばにいてくれ」

アメリアは心臓が跳ねる。

「はい、殿下……」


そしてリュシアンはアメリアの腕を軽く掴み、自然と体を引き寄せる。

「午後はずっと……俺と一緒にいよう」

独占的な言葉に、アメリアは頬を赤くし、呼吸が速まる。


「殿下……!」

驚きと甘い熱が全身を駆け巡る。

リュシアンは背中に手を回し、優しく抱き寄せ、耳元で低く囁く。

「誰にも触れさせぬ……俺だけのアメリアだ」


アメリアは体を預け、甘い鼓動に身を震わせる。

そのままリュシアンの唇がそっと重なる。

柔らかく、甘く、独占的なキス――アメリアは目を閉じ、全身でその温もりを感じた。


昼の光に包まれ、庭園の花々も小鳥たちも、二人だけの世界を祝福しているかのようだ。

アメリアは心の奥で確信する――私は、殿下にとって唯一の特別な存在なのだ、と。


リュシアンもまた、抱きしめたアメリアを胸に押し当て、心の奥で誓う。

――誰にも渡さない、俺だけのアメリアだ、と。


午後の宮殿は、甘く深い独占と愛で満ちていった。



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