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俺が聖女で勇者が幼馴染で  作者: 鳩胸 ぽっぽ
魔王領訪問編
75/103

魔王城と魔王軍四天王

 俺たちは魔王領を進んでいく。

 禍々しい森を抜けた先には大きな城とその城の下に並ぶ街があった。


「あれが私の魔王城サ!」


 魔王城はなんつーか、日本の城のような感じだった。

 俺たちは街に入っていく。街は角が生えて肌が紫色の人間とか、魔物のような見た目をした人間、三つ目の人間や単眼の人間がいる。

 この人たちが魔族という人たちだろう。


 魔族の人たちは足を止め、俺らを見ていた。

 魔王の後ろを歩いてる俺たちが気になるのか、それとも……。


「なんか見られてる……」

「ごめんネ。魔族は人間にあまりいい思い出がないかラ」

「仕方のないことね。ふふん。歴史を鑑みればいい思いはしてないのは当然よ」


 歴史か……。

 今は違うが、昔までは魔族、魔物と人間は敵対関係にあったんだったか。今の魔王様になりいきなり仲良くしてくれって言うのもまぁ無理な話ではあるのか。

 魔王様がいるから手出しできてないという感じなのかもな。


「この街はあまり出歩くのは危険だな」

「えー! 探検したいのにー!」

「魔族の人たちは明らかに異質な目を向けてきてんだろ」

「でも敵意は感じないよ?」

「そういう問題じゃなくてな」


 敵意を感じるか感じないかじゃないんだよ。

 今の魔王は人間に友好的だといっても、それは魔王に限った話だ。誰もかれもが人間に友好的に接してくれるわけじゃない。

 以前、盗賊と協力していた魔族がいい例だろう。人間と分かり合おうというのは魔王のエゴイズムでしかない。


「そうですね。敵意は感じずとも……。少しばかり恐れの目を向けられているようです。あまり探検するのはよろしくないでしょう」

「私は仲良くしたいのになー」

「へきるさんってめちゃくちゃ陽キャ……?」


 へきるは誰とでも仲良くはしたいが敵だと認識したら容赦ない陽キャだぞ。ミツ。


「まぁ、我が手下を連れてなら問題はないサ。魔王城に入ろう。私が選んだ選りすぐりの強者たちが集まる魔王軍本部魔王城へようこそ!」


 魔王城の扉が開かれる。

 入り口に橋がかけられ、扉が開いていく。俺らは中へと入っていった。


 中は中学校の頃、修学旅行で言った姫路城に少し似ている。

 防衛にも適した感じの要塞となっていた。なにか戦う準備でもしてんのかってぐらいなんだが……。ここは魔物の襲撃とかそこまでなさそうなのになんでこんな城を?

 いや……。多分先代とか先々代の魔王もここを使っていたその名残か?


「ひろーい!」

「デショ?」

「魔王様!」


 と、四体の魔物が魔王に駆け寄ってきた。


「おお、紹介しておくぞ。我が軍四天王サ!」

「四天王……」


 やっぱいるのか。

 魔王に四天王。そういうの定番だもんな。


「おお、人間の客人とは初めてだね! 僕はベヒーモスのベヒィ! 今は人間を出迎えるってことで擬態してるけど本当は違う姿だよ! よろしく!」

「私はメデューサのサティ。よろしくね。あまり私の目を見ないでもらえると嬉しいわ」

「えと……一応、サキュバスのエミリィです……。どうぞよろしく……」

「わたくしはネクロマンサーのネクロム。以後お見知りおきを……ククク」


 わぁ割とテンプレ感ある四天王。

 でも、たしかに相応の強さはあるようだ。


「わが四天王。こいつらが宿泊する部屋を案内してやってくれ」

「「「「御意に」」」」


 そういって、俺たちにはネクロムさんがついた。

 ネクロムさんは黒いフードをかぶった怪しげな男の人だが……。道中話を聞いてみると、顔がドロドロに溶けてほかの部下とかを怖がらせてしまうから顔を隠してるらしい。なんて優しい配慮……。

 ネクロムさんは俺たち人間に悪い印象は特に抱いてなく、人間の技術とか気になることはいっぱいあると言っていた。


「城下町に出たい場合はわたくしに言っていただければ同行いたしますのでね……。キヒヒ」

「ありがとうネクロムさん!」

「ど、どういたしまして……」


 照れた。こいつ案外女性耐性ないな。












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