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第90話 ドラゴンステーションへの帰還と新たなる翼たち

ウィンドランナーたちとの誓いの儀式から数日後。


俺たちは、

長老竜と、そして風切り峠の仲間たちに別れを告げ、

リンドブルムのドラゴンステーションへの帰路についた。


俺たちの後には、

リュウガだけでなく、

数頭の若い、しかし才能溢れるウィンドランナーたちが、

希望に満ちた表情でついてきていた。

彼らは、長老竜の命を受け、

『ドラゴン便』の新たな翼として、

俺たちと共に働くことを決意してくれたのだ。

その中には、ひときわ小柄で、

しかし誰よりも好奇心旺盛な、

『シルフィ』と名付けられたメスのウィンドランナーもいた。

彼女は、リリアさんに特によく懐いているようだった。


「ケンタさん、見てください!

ウィンドランナーさんたち、

もうすっかりリュウガさんと打ち解けていますよ!」

リリアさんが、嬉しそうに声を弾ませる。

確かに、リュウガとウィンドランナーたちは、

まるで昔からの仲間のように、

楽しげに編隊飛行を組んだり、

互いの飛行技術を競い合ったりしている。

その光景は、見ていて微笑ましい。


「フン、あのチビ共、

最初は生意気な口を利きおったが、

リュウガの旦那の実力を見たら、

すぐに尻尾を巻いたようだな。

まあ、これからが楽しみではあるわい」

ギドさんも、憎まれ口を叩きながらも、

その目には、新たな仲間たちへの期待が滲んでいた。


数日後、

俺たちがリンドブルムのドラゴンステーションに帰還すると、

そこでは、ステーションの職員たちや、

そして、俺たちの帰りを待ちわびていたピクシー・ドレイクたちが、

大きな歓声と共に俺たちを迎えてくれた。


「ケンタさん! リリアさん! ギドさん!

お帰りなさい!」

「そして、新しいドラゴンの皆さん、ようこそドラゴン便へ!」


ウィンドランナーたちの姿を見た職員たちは、

最初は驚きと戸惑いの表情を浮かべていたが、

彼らが俺たちの新たな仲間だと知ると、

すぐに温かい笑顔で歓迎してくれた。

ピクシー・ドレイクたちも、

新しい大きな友達(?)の登場に大興奮で、

ウィンドランナーたちの周りを、

まるで祝福するように飛び回っている。


その夜、

ドラゴンステーションの広場では、

ウィンドランナーたちを歓迎するための、

盛大な宴が開かれた。

リリアさんが腕によりをかけて作った料理と、

ギドさんが用意したドワーフのエール、

そして、リュウガやウィンドランナーたちのための、

山のようなご馳走(バルガスさんの牧場から特別に取り寄せたものだ)。

歌と踊り、そして笑い声が、

夜遅くまでステーションに響き渡った。


俺は、その賑やかで温かい光景を、

胸がいっぱいになりながら見つめていた。

『ドラゴン便』は、

もはや俺一人だけの夢じゃない。

リリアさん、ギドさん、リュウガ、

そして、ピクシー・ドレイクたちと、

新しく仲間になったウィンドランナーたち…。

みんなの夢と希望が詰まった、

大きな、大きな家族のようなものなのだ。


翌日から、

ウィンドランナーたちは、

早速『ドラゴン便』の業務に加わった。

彼らの俊敏で小回りの利く飛行能力は、

特に、リンドブルム近郊の村々や、

山岳地帯への短~中距離輸送で、

絶大な威力を発揮した。

リュウガは、これまで負担の大きかった

それらの業務から解放され、

ヴェリタスへの長距離定期便や、

より大量の荷物を運ぶ重要な任務に

専念できるようになった。


『ドラゴン便』の輸送能力は、

ウィンドランナーたちの加入により、

飛躍的に向上した。

そして、それは、

アースガルド大陸の物流に、

さらなる大きな変革をもたらすことになるだろう。


俺は、事務所の窓から、

リンドブルムの空を、

リュウガと共に、

そしてウィンドランナーたちと共に、

力強く、そして楽しげに飛び交う

『ドラゴン便』の翼たちを眺めていた。


その光景は、

俺が異世界に来てからずっと夢見ていた、

まさに理想の姿だった。


だが、俺たちの冒険は、

まだ始まったばかりだ。

『深淵の水晶』を手に入れ、

真の『ドラゴンギア Lv.2』と、

究極の『コールドボックス・マークIII』を完成させるという、

大きな目標が残っている。

そして、その先には、

アクアティア公国と、

海洋大国ネプトゥーリア王国の影がちらつく、

新たな、そしてより困難な挑戦が待ち受けているかもしれない。


だが、今の俺には、

どんな困難にも立ち向かえる自信がある。

なぜなら、俺には、

信頼できる最高の仲間たちがいるのだから。


俺は、空を見上げ、

強く、強く拳を握りしめた。

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