表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/99

団長VSフリーダと、ギルマスVSマルク

「マルク、団長殿は私がやる! あなたはギルマス殿を!」

「ああ、どうにかしよう」


 俺はフリーダに全覚醒をかける。

 ギルド前の大通りで、フリーダは騎士団長エルミナと、俺はギルドマスターのヴァネッサと対峙する。

 エルミナが姿勢正しく、しかしその目は虚ろなままに口を開いた。

 

「キミが抜けてからどれくらい経ったかなフリーダクン。コウヤッテ手合わせするのもずいぶん久しぶりな気がスルヨ。サァ、一緒に踊ろウカ!」

「団長殿、あなたには感謝しています。ですが今は非常時、私も手加減は致しません!」


 フリーダにもう迷いはなかった。

 剣と盾を構えて躊躇(ちゅうちょ)なしに斬りかかる。騎士二人の戦いが始まった。

 一方の俺も――


「マルク、テメェは次期ギルマスとなる器だ。まだ迷ってるノカ?」

「この件のなりゆき次第、だな」

「ソウカイ。だったらこのオレが、本当にテメェがギルマスに相応しいかどうか試してヤルゼ!」

「操られていても仕事とは、見た目以上に真面目な女性だ!」


 戦いが始まる。

 ヴァネッサはバリバリの前衛職でアタッカーだ。身の丈以上の両手斧を肩に乗せてから、一息で迫ってきた。

 全く厳しい注文だよ。

 俺みたいな不遇職でデバッファー職が、前衛職と一対一をするわけだからな。


「リョウテ斧スキルTier(ティア)4――『ぶった斬り』!」

「くっ! 分かってはいたが一切手加減なしだな! 強力なスキルだ!」


 見るからに重そうな斧を、軽く釣り竿でも振るかのようにヴァネッサは振り下ろす。

 俺は後ろに飛んで回避したが、今いた石畳は斧の一撃で真っ二つになっていた。


「ヤルじゃねぇか、さすがはオレが見惚れちまったオトコだ。カンタンに死なれちまったら試験の意味がねぇ、一発くらいは耐えてもらわねぇとナァ!」

「こんなものを一撃でも食らったら、その時点で即死だがな」


 ヴァネッサが地面から斧を引き抜くと、もう一度構える。

 スピードも中々ある、いつまでもかわしきれるとは思えない。

 攻略法を模索していると、隣の戦いに動きが出る。


「片手剣スキルTier(ティア)5! 『テンペストスラッシュ』!」

Tier(ティア)5ダト――くあっ!?」


 フリーダの必殺スキルが放たれて、勝負が決したのだ。

 さしものエルミナもTier(ティア)5に対抗する手段は持っていなかったらしく、膝をつく。

 肌に傷はついていなかったが、鎧は砕かれ、その威力の高さが計り知れるのだった。


「ミゴトだ、フリーダ君……あれから、ずいぶん成長したンダネ……」

「勝負ありました団長、降伏を。――こっちは終わったぞマルク、すぐそちらに加勢に」


 フリーダは間違いなくエルミナとの戦いには勝った。

 だが――


「ワルイなフリーダ君。ワタシも負けるわけにはいかないのダヨ」

「なっ――みんな!?」


 肌にぴったり吸い付くアンダーウェアだけとなったエルミナが立ち上がり、剣を頭上に掲げると。

 建物と建物の間から、女性騎士が二〇人近く姿を現したのだ。

 俺は言う。


「潜ませていたか……よく訓練されている、見事な潜伏だ」

「ソウだろうマルク君。優秀なのはフリーダ君一人だけではないのダヨ」


 フリーダは出会った頃にはA級だった。

 つまり、他の騎士もそれに匹敵してもおかしくない。


「スベテは……ブタドス(ご主人)様のタメニ!」

「くっ……皆アンダーウェアだけで……! 汚いぞ、魔王!」


 女騎士達は鎧が砕かれたエルミナ同様、ぴちぴちのアンダーウェアだけだった。

 衣装(スキン)でもなんでもない、防具ゼロの状態。まともに戦えば殺してしまいかねない。

 覚悟を決めたフリーダだったが、わずかながらためらいが生じていた。


「アチラさんは盛り上がってるじゃネェカ。コッチも盛り上がろうぜぇ、マルクヨォ!」

「状況は不利か。だが――勝ち筋は変わらず見えている」


 そのためにも、俺はギルマス・ヴァネッサとの戦いに決着を付けねばならない。


もしかしたら一日おきになるかも知れません。

すみません!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 乳をゆらせながら激しく動く団長とギルマス、うーん目を奪われて負けそう(笑) しかし催眠と女って直接描写がなくてもエロい。多分ビジュアルで虚ろな目ってのがくるんでしょうね(笑) あとベラとユー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ