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新たな仲間のステータスを見てみよう!

「一三神の神々よ。あたし達人の子らに啓示を授けて」


 ジルが着替え終えるのを待ってから、俺は部屋に入った。

 そして、ステータス開示の儀式を行う。

 仲間になったからには情報を共有するのが常だからな。

 今、開示を願った声はジルのものだ。


――――――――――


 名:ジル

 職業:拳闘士

 レベル:34


 力:159

 体力:155

 素早さ:237

 器用さ:92

 知力:68

 精神力:26

 運:70


 装備適正:拳・脚


――――――――――


「三桁数値こそ俺より少ないが、無駄のない良いステータスだ。アタッカーとして理想的だな」

「ふふん、でしょう? あのメドューサ戦でちょっとレベルも上がったしね!」


 自慢気に言うジル。

 少し時間を置いたせいか、俺に裸を見られた照れは薄れ、いつもの調子だ。


精神(メンタル)は弱いみたいだがな」

「い、言わないでよっ! もー、メンタル()()()()だと思うんだけどなぁ」


 『精神』は主に魔法防御力や各種異常耐性に影響する数値だ。

 メドューサ戦で戦意喪失した姿を見せてしまったりと、ジルの場合はメンタル面の数値も指し示しているのかもしれなかった。


「弱点耐性もしっかり消えているな。では次はオリヴィア、君の番だ」

「はい、マルク様。――一三神の神々よ。我らが人の子らに啓示を授けたまえ」


 神の声が聞こえないと言うオリヴィアだったが、宿の壁に青い文字が浮かび上がり、ステータスは従来通り開示された。


「ステータス開示は問題なく出来るのだな」

「はい。私の体はあらゆる魔法効果を弾きますが、私自身が魔法等を行使することにはなんの支障もございません。……私的には、逆の方がよかったのですけれど……」

「回復スキルや、メイスを聖典に変えたりも出来ていたしな。さて、オリヴィアのステータスは、と」


――――――――――


 名:オリヴィア

 職業:破壊僧

 レベル:18


 力:160

 体力:70

 素早さ:57

 器用さ:172

 知力:114

 精神力:102

 運:1


 装備適正:片手メイス・両手メイス・片手斧・両手斧・鎌・杖・魔法書・扇・小型盾

 特化耐性:全基本耐性+10000%


――――――――――


「超優遇体質なのに運1なのか……」

「優遇ではありません……神の声が聞けない不幸体質なのです……」

「っていうか、装備適正多すぎないかっ!」


 驚いて言ったのはフリーダだった。

 俺達が二つ程度に比べたら、確かにこれは多い。

 器用さの数値もオリヴィアの体質に現れているのかもしれないな。

 ジルがオリヴィアのステータスを眺めて言う。


「それによ。メドューサ戦後でレベルアップしてるとはいえ、凄く良いステータスよね。マジで家事とダイエットだけでここまで育ったの?」

「はい。皆様に出会うまで、私はずっと修道院のお仕事をしていただけですから。……たまに、重い鉄のメイスで『メイスダイエット』をしていましたけど」


 そこでメイスのスキルも覚えたというわけか。

 まあ荒はあるとは言え、何だこの天才はと俺は心の中で思うのだった。


「強くなれるのなら、私もダイエットしてみようかな……」

「フリーダさん。それは嫌味ですか?」

「えっ!? 私嫌味なんて言ってないぞっ!?」

「そんなお腹きゅってしてる人が言ったら嫌味なんですっ!」


 なんかフリーダが怒られていたが。

 取りあえず新しい仲間達のステータスは確認し終えた。

 ちなみに俺達のステータスはすでに彼女達に見せている。

 用を終えたステータスを閉じてもらい、部屋の壁から青い文字は消えるのだった。


「さて、ステータス開示は以上だな」

「あの、いいかなマルク」


 そう言ってきたのはフリーダだ。

 いつもよりも()()()()からその声がして、俺は目線を落として話を聞いた。


「いつまで私とオリヴィアは正座し続けなければならないのだろうか……そ、そろそろ脚が痺れてっ」

「わ、私も、東国式は不慣れで……んっ」


 ジルは普通に腕を組んで立っていたのだが。

 実はフリーダとオリヴィアは、ステータス開示の間もずっと、正座をしていたのである。

 なぜこんな状態かというと――


「そうだな、ステータス開示も終わったことだし――覗きのお仕置きといこうか」


 そうしろと、俺が命令したからだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] お仕置き…催眠…カッコツケマンには閃かない! これは通報しなくていいな
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