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第07話 亜人の勢力図

「──他には?」



 キレるジンの気を反らす様に、俺は楓に尋ねた。すぐ様、楓が答える。


「はい。後は、樹海の外から集まった種族達です。先程、申し上げたラビリア達に付いた種族……それ等を除いた種族は、全てここに集まっています」


「そうか……。それで、何種族くらいが歯向かって来たんだ?」


 幾つかは、敵意を示した種族がいたと言っていた。特に興味がある訳では無いが、皆殺しにする様に指示した以上、その数はくらいは知っておきたい。


「七つです。何れも、取るに足らない様な弱小種族ばかりですが。どうやら、ラビリア達に(たぶら)かされていた者もいた様ですね」


 なるほど。意外に多いと思ったが、そう言う事か。全く、あの(ラビリア)……。余計な事ばかりしやがる。お陰で、無駄な殺生が増えてしまったではないか。


「わかった。ご苦労だったな。で、当然、こいつ等も素直に話を聞き入れた奴等ばかりではないんだろ?」


 俺の問に、またもや横でジンがピクついている。やはり、交渉にジン(こいつ)を同行させなかったのは正解だった様だ。話し合いどころか、この国の亜人を滅ぼし兼ねない。


「はい。何種族かは樹海の連中と同じ様に、(マスター)との謁見を望んでおります」


「──ジン。キレるなよ?」


 楓の返答を聞き、俺は、ジンに先手を打つ様に釘を刺した。


「は、ははっ!」


 不意を突かれたのか、ジンは珍しく、少しだけ狼狽えて恐縮した。まあ、これで少しは()()だろう。とりあえず、一通り話を聞く迄は、暴れさせる訳にはいかない。これで、ようやく少しは安心して話が聞ける。


「続けろ」


 俺は、楓に促した。


「はっ! まず、従順の意を表明しているのは、(いず)れも小さな種族ばかりです。ですので、戦力として期待出来そうな種族だけをご報告致します。詳細に関しましては、纏めてウォルフ殿に報告しておりますので、そちらをご覧頂ければと」


 確かに、ここから見渡す限り、集まっている種族の数は多い。あれが全て違う種族なら、確かに把握するだけでも大変そうだ。明らかに、戦えなさそうな奴もいるし。楓の言う様に、後でウォルフにその書面を見せて貰った方が良いかも知れない。


「『死神の町(われら)』に(くだ)った種族の中で、注目に値するのは一つだけです。正直、意外でした。まさか、素直に要請を受け入れるなんて……。ハッキリ言って、とんでもない大物です」


 楓が、そこ迄言う程の種族(やつ)なのか。つまり、最低でも『死神の町(ここ)』の幹部クラスと言う事だろう。これは、期待出来そうだ。


「その種族とは?」


「はっ! 大和(この国)の、ここより北の大地を統べる少数種族。極寒の地と白夜を支配する、女だけの精霊種、『雪女族(ゆきめぞく)』です。そして、その長い歴史の中でも、歴代最強と噂される族長……『夜美(やみ)』自らが、今回、(マスター)の話を支持しております」


 雪女族(ゆきめぞく)


 俺でも知っている、その名前。要するに、雪女(ゆきおんな)の事だろう。そもそも、種族と呼んで良いのかすらわからないが。この世界では、亜人として扱われているのか……。そして、その現在の族長、夜美。楓の話では、随分、とんでもない能力(ちから)の持主みたいだが……。


 どんな奴なんだ?


 しかし、そんな俺の考え等は気にも止めず、楓は報告を続けた。


「そして、(マスター)(ちから)を見極めようと、謁見を求める種族……その、代表格。こちらも、大物です。ある、一つの種族が謁見派を纏めています。その種族の名は、妖魔種の『ぬらりひょん』。個の存在にして、京より西のはぐれ亜人達を束ねる、一大勢力の長です」


「なんと! 御大まで動いたのか? あの『百鬼夜行』が……」


 驚いたのは、ボアルだ。どうやら、その『ぬらりひょん』とやらは、東の亜人にも名が知れているらしい。中々の有名人だ。


 話によると、『ぬらりひょん』と言うのは、種族の名では無いらしい。あくまで、その人物を示す個人の名称だそうだ。にも関わらず、種族として認識されているのは、同じ様な『個』の存在である亜人を纏めているからに過ぎない。それが『百鬼夜行』。そう呼ばれる、『個』の亜人の集団らしい。


「当たり前だろう、ボアル殿。この国の亜人、全てに通達しろと言う真人様の御命令だったのだ。『百鬼夜行』を外して、命令を果たしたとは言えまい」


 そう答えるウォルフも、その『ぬらりひょん』の存在は知っていた様だ。なるほど。何となく、大和(この国)における亜人の勢力図が見えてきた。


「──ウォルフ。とりあえず、今、報告にあった連中を集めろ。俺に会いたいと言っているのなら、今すぐ会ってやる」


 そうウォルフに告げ、俺は亜人達が集まる平原へ足を向けた。



 ──()()()()のは、こちらも同じだ。大和(この国)を獲る前に、盤石な組織を築き上げる。その、(いしずえ)になるかも知れない重要な組閣だからな。とりあえず、どんな連中なのか、俺のこの目で確かめてやる……。


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