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第04話 家康の策略

GWも終盤に差し掛かり、仕事の方も動き始めましたので更新のペースを本来に戻します。出来るだけ早く、以前の三日くらいのペースに戻せる様に頑張りますが、後一ヶ月くらいは多忙の為、週一〜十日くらいのペースになりそうです。(勿論、執筆出来そうな時は更新します!)

必ず完結までは書き切りますので、暫くはのんびり見守って頂けますと幸いです。どうかこれからも変わらぬ応援、宜しくお願い致します。

「──真人よ。お主、この大和を統一したいとは思わぬか?」



 そう語る、家康の真剣な目……どうやら、冗談で言っている訳では無さそうだ。


「どういう事だ?」


 わざとらしく俺は聞き返す。何となく、家康の狙いは想像が付いていた。


「ふむ……前々から考えてはおったのじゃ。いずれ大和(この国)は、一つにならねばならぬ時が来るであろうとな。まさしく、それが今じゃと妾は思おておる」


 やはりな……。


 俺の読み通り、家康は魔王に対抗する為に、大和(この国)は統一されるべきだと考えている様だ。確かに黒船(先遣隊)ならまだしも、魔王の本隊に対抗するには、避けては通れない話かも知れない。だが……


「興味無いな」


 見も蓋もない物言いで、俺はあっさりとこの話を断った。確かに大和の国が一つになれば、魔王軍に対しても対策は立てやすい。他国の戦力がどれくらいの物なのかは知らないが、新八達を見る限り、大和(この国)の戦力は捨てた物でも無いだろう。しかしそれは、裏を返せば、守らねばならない物まで増えてしまうと言う事だ。正直俺は、『死神の町(自分の町)』さえ無事ならばそれでいい。


「そう言うと思おたわ。じゃがよく聞け、真人。何もお主に全て(大和)を守らせようと言う話では無い。寧ろ、その逆……お主が守りたい(もの)の為に、この国を動かせたら良いと思わぬか?」


 妖しい笑みを浮かべながら、家康はそう問いかけて来た。


「俺が守りたい(もの)の為に……?」


 家康の言葉を繰り返しながら、俺はその意味について考えた。確かに俺一人で、犠牲を出さずに『死神の町(グリム・シティ)』の全てを守るのは難しい。だが、他所から犠牲を(いと)わない戦力を用意出来るのであれば、確かに助かる。この国の人間には犠牲者が出るだろう。だが、『死神の町(うちの連中)』さえ無事なら、俺には何も問題も無い。しかし……


家康(お前)……本気か?」


 俺は家康の真意に辿り着くと、率直に尋ねた。


「無論、本気じゃ。この国を纏めるには、お主の様な圧倒的な戦力(ちから)が必要じゃ。そして、それが出来なんだら、いずれこの国は滅びる……魔王の手によっての。『死神(お主)』を()()()にさせる為じゃ……ある程度の犠牲は仕方あるまい」


 腹を括ってる……本気だ。俺は、家康の目にその決意を感じ取った。


「俺は大和(この国)戦力(人間)を利用して『死神の町(自分の町)』を守る。そしてこの国(お前等)は、『死神()』を利用して『魔王』と張り合おう、と言う訳か」


 俺の言葉を聞き、家康はニヤリと口元を歪ませた。


 正直、悪い話では無い様な気はする。俺は『死神の町(自分の町)』を守る為、この国の戦力を自由に使う。他の領地がどうなろうが、俺の知った事では無い。だが、おそらく魔王(カズヒコ)は俺を狙って来る。同じ転生者である、この俺を。何故かそれだけは、確信に近い様な物を感じる。


 おそらく、家康はそれを読んでいるのだろう。流石に、俺が転生者だとは思っていないだろう。しかし、戦においての定石……つまり、一番強い戦力(やつ)を先に倒す。魔王が必ずそう考え、この国で一番強い戦力(もの)……つまり、『死神の町(グリム・シティ)』を狙って来るであろうという事を。そして、それを退けると言う事は、魔王の本隊を退けるという事。つまり事実上、大和(この国)を救うという事になる。


「どうじゃ……?」


「やっぱり策士だ(腹黒い)な……家康(お前)


 家康は「悪くない話だろ?」と言わんばかりに、自信に満ちた笑みを浮かべる。俺は、そんな家康に対して条件を出した。


「……いいだろう。その話、乗ってやる。但し、一つ条件がある」


「なんじゃ?」


 俺がこの話に乗りさえすれば、後は些細な事だとでも言うのだろうか。家康は、軽い調子で聞き返して来た。


「大和の統一……そこまではいい。だが俺は正直、その後が面倒くさい。別に、この国を治めたい訳じゃないからな。だから、家康……神輿はお前だ」


 大和統一。それを手伝うのは構わない。だが、俺は大和(この国)を手に入れたい訳では無い。寧ろ、煩わしい政治や何かに巻き込まれるのは御免だ。俺は雪と、樹海で静かに暮らせればそれでいい。


 家康は、俺がそう考える事まで見通してたのか、用意していた様な口振りで答えた。


「全く……相変わらず、欲が無い男よのぉ、お主は。じゃが、妾にすれば願ってもない申し出じゃ。この家康の天下統一に、お主が戦力(ちから)を貸すと言う事じゃからの」


 確かに、家康にとっては良い話だろう。何しろ、俺が大和(この国)の統一を手助けし、そのままくれてやろうと言うのだから。まあ、必要なら俺も、裏から都合の良いように、口出しはさせて貰うつもりだが。表舞台での政治は、家康がした方が俺も有り難い。もし、ここまで考えて提案したのなら、やはり家康(この女)は相当腹黒い。


「まあ、いいだろう。決まりだな。だが、あくまで戦術(やり方)は俺の好きにやらせて貰う。政治(それ以外)はお前の好きにしろ」


「うむ。統一が成した場合、妾が責任を持って大和(この国)を治めよう。まあ、そもそも政治なんぞを真人(お主)に任せたら、それこそ魔王よりも恐ろしい事になりかねんからの」


 扇子で口元を隠し、ふふふ……と家康は愉快そうに笑った。少しは冗談を言える余裕が出てきた様だ。


「ああ、気に入らない人間(やつ)は皆殺しだ」


 軽いノリで俺も返す。お互いに笑みを浮かべながら、俺と家康は無言で意思を汲み取った。穏やかに和んだ空気の中、家康は再び笑みを消して、真剣な表情に戻る。そして、静かに話題をこれからの事に向けた。


「……しかし、幾らお主の強さが規格外とは言え、今の大和は一筋縄では行かぬぞ?」


 そう切り出した家康。


 分かっている。確かに俺も、ある程度は今の大和の現状を、ウォルフから聞かされていた。だが、それでも俺は、敢えてこう答えた。





「──知ってるよ、()()とな。だが、問題無い。ちょうどそろそろ京の連中にも、借りを返しに行こうと思っていた所だ」


 半兵衛、秀吉、それに晴明。そろそろツケを払って貰おう。



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