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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
五章 神獣大激突編
50/82

契約2

遅くなりましたが、投稿です!

今回は後書きに色々と書いてあるので、是非確認してください。

「う〜ん……何か頭が痛いよ〜」


「私の頭……何かスースーする……」


目が覚めた九尾と霊亀は、何故か頭部にダメージを受けており、その痛みや違和感に首を傾げていた。


「目が覚めたなら、さっさと本題入っちまうぞ」


和人は二匹の頭部のダメージから目を逸らすながら声を掛ける。


「⁉︎」


「まだ……⁉︎」


しかし、辺り前だが二匹は和人の姿を見て咄嗟に距離を取ろうとする。


「あー……そう言うのめんどうだからいらないわ」


だが、突如として和人から発せられた威圧感に立っている事が出来ず、その場に倒れ込んでしまった。


「なっ⁉︎こんなのさっきまで感じなかったよ⁉︎」


「まさか……あれでも本気じゃ無かったの……?」


先程戦った時とは全く別次元の圧力を感じた二匹は、驚きに目を見張り、必死にその圧力から逃げようとするが、いくら動かそうとしても、体は全く言う事を聞かず、尻餅をついてしまう。


「か、和人様……少し抑えて……」


「私達まで動けなくなってしまっています!」


和人の圧力に、先程契約した応龍と鳳凰までもが動けなくなり、和人に抑えるようにと訴える。


「あー悪い悪い」


和人は全く悪びれた様子も無く応龍と鳳凰にかかっていた威圧を解き、その分を目の前に這いつくばっている九尾と霊亀に上乗せした。


「……っ⁉︎ま、待って!」


「私達が壊れる……」


圧力を解かれてホッとしている応龍と鳳凰。しかし、その分を上乗せされた九尾と霊亀はたまったもんじゃなく、必死に和人に声を掛ける。


「っと、これから契約したい奴に壊れられちゃあたまんないな。すまんな、今直ぐ解いてやる」


そう言って威圧感を解く和人に、九尾と霊亀はホッとした様子を見せる。


「契約?」


だが直ぐに訝し気な表情を作り、和人を見つめる。


「ああ。お前等には俺と契約して欲しいと思っている。既に応龍と鳳凰は両者の同意の上で契約を交わしている」


和人の説明に驚きを隠せない様子の九尾と霊亀。


「ま、いーんじゃない?」


だがそれも一瞬の事であり、九尾が真っ先に色良い言葉を発してくれた。


「言い出した俺が言うのもなんだが、そんな簡単に決めていいのか?」


和人にしても、こんなあっさり了承してくれるとは思って無かったので、思わず聞き返す。

この時霊亀は何やら考え込んでいるような仕草をしていた。


「うん!だって……あ、えっと……」


「和人だ。間上 和人」


「そう!和人様の強さは戦ったアタシが良く分かっているし、さっきの威圧感も正直動く事すら出来なかったもん!」


「私達神獣は強者を求める……そして貴方はそれを証明してくれた……従う理由はそれで十分……」


元気良く返事をしてくれる九尾の言葉を聞きながら霊亀の方を見ると、霊亀も契約しても良いと言う返事をしてくれた。どうやら霊亀の中でも結論が出たようだ。


「分かった。ならこれから契約魔法を使う。ありがとな二人共」


和人の言葉に頷く九尾と霊亀。あっさりと決まった事は驚いたが、別に二匹にこれと言って邪な考えがあるわけでは無いと言うのは、和人やヴェルレベルになると表情を見るだけで分かる。


「じゃあ行くぞ」


和人は契約魔法を完了させ、先程感じた妙な魔力の事を考えていた。


(あの魔力は間違い無くヴェルに匹敵していた……だが実際の神獣達はあんなにも弱かった。何故だ?)


それはまだ力を使いこなせていないのか、もしくは何か条件が必要なのか。和人は自分に流れ込んできた四匹の神獣の魔力を確認してみるが、やはり分からない。


(まあいい、こいつらとこれから一緒に過ごしていれば自ずと分かって来る筈だ……)


今だに自分に流れ込んで来た和人の力に驚きを示している九尾と霊亀に若干頬を緩ませながらも、自分の中に残る疑問を思い、今後について思いを馳せる。

だが和人の中には一つ気になる事があった。それはジェシカが言っていた歴史上数回だけ確認されたとされている神獣だ。それは九尾、鳳凰、応龍、霊亀とは違い、完全にはいるとされていない未確認の神獣。


「なあ、お前等以外に神獣っているのか?」


同じ神獣同士なら何か知っているかもしれないと期待を込めて質問する和人だったが、返って来た返答に落胆せざるをえなかった。


「いや、僕達以外には存在はしないと思います。もしそんなのがいたら僕達が気付かないわけ無いですから」


「私達は寿命と言う物が無く、生まれてから何千何百年と生きて来ましたが、私達以外の神獣とは遭遇をしたことがありません」


「でも何か人間達の記録にはアタシ達以外の神獣を見たと言う記録があるらしいんだよね。何の事だろう?」


「神獣とは私達を指す……それは私達が纏うオーラのような物があるから……人間達はそれを無意識に察知して神獣と判断する……だから私達以外の神獣と言うのはありえません……」


上から応龍、鳳凰、九尾、霊亀となるが、誰一人としてそんなものの存在を知ら無いと答えた。その事が少し残念に思えるが、次の瞬間ある仮説が和人の頭を過った。


「成る程、な……」


「どうしたのじゃマスター?何か気付いたか?」


和人の聞こえるか聞こえないかって程の声を見事聞き取ったヴェルが和人質問するが、和人は既に思考モードになっており、ヴェルの声は聞こえていなかった。


(もしかして件の未確認の神獣とはこいつらの事じゃないのか……?ただし、この姿では無く、別の姿の……そしてそれがこいつらの進化または変化した姿……それならこいつらの中に存在する強力な魔力の正体も説明つく……だが問題はその条件だ。どうすればこいつらをその姿に出来るんだ……?)


幾ら考えても結果は出無いし、「神の知識(カーディナル)」でもやはり神獣に関する記憶は覗け無い。


「まあこいつらと一緒にいればいつかは分かる日が来るだろう」


自分には和人が何を考えているかは分からないが、どこまでも和人に着いて行くと決めているヴェルは、和人の言葉に静か頷いた。


「よし、行くぞお前等!」


「「「「はい!」」」」


和人の声に一斉に頷く神獣達。10m以上の巨体を持つ存在が四匹同時に頷くのはかなりの迫力だった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜


「その前に一つ聞く。お前等に名前はあるか?」


「いえ、僕達は応龍、九尾、鳳凰、霊亀と言った種族名しか持ちません」


暫く歩いたところで、和人はふと気になった事を聞いてみた。


「それはめんどうだな……何か名前付けたいんだが、構わないか?」


和人やヴェルは当たり前として、神獣達もその気になれば音速や亜高速の速度だ移動出来るのだが、今回は少し話しながら行こうと言う事で皆普通に歩いている。傍から見ると少年少女が巨大な魔物に襲われているようにしか見えない。実際はこの少年少女がその魔物達を従えているのだが。


「えー!アタシ達名前付くの⁉︎和人様和人様!かっこかわいいのお願い!」


「名前……その発想はありませんでしたね。是非お願いしたいです」


「名前……無かった……」


「僕等は基本この四人で会話するだけでしたから全く気にしませんでしたが、確かに不便ですね。和人様、宜しいでしょうか?」


「任せろ。お前等の性別は何だ?」


「ピチピチの女の子でーす☆」


「私も雌です」


「雌……」


「僕もこんな口調ですが、雌です」


まさか全員雌だったとはと驚いた和人とヴェルだが、微かに眉をピクリとさせただけで大きな反応は見せなかった。よく考えれば応龍以外は全員一人称が私やアタシであり、唯一一人称が僕である応龍も、雄にしては声が高かった。


「成る程、全員雌か。分かったじゃあそれっぽい名前付けるな」


和人はそう言うと、早速四匹の名前を考え込み始めた。ヴェルはそれをカバーするかのように周囲の気配を探り、危険が無いと判断したのか、警戒を緩めず、しかしそこまで張り詰めずに歩く。


考え込む事数分、和人は顔を上げて満足そうな表情で四匹の神獣を見上げた。


「決めたぞ。先ず応龍。お前の名前はカレンだ。蓮と言う植物と言う物がある。それの花言葉で清らかな心、神聖と言う意味がある。お前にピッタリだろ?」


「カレン……ありがとうございます。これから僕の事をカレンとお呼び下さい。この名と共に貴方様に仕えさせていただきます」


どうやら気に入ったのか、応龍もといカレンは、和人に深く頭を下げ忠誠を誓う。


「次は鳳凰、お前の名前だ」


それを聞きピクリと身体を一瞬硬直させた鳳凰。どうやら緊張しているようだ。


「そんな緊張するな、さて、お前の名前だがスミレ何てどうだ?

意味は誠実、小さな幸せだ」


緊張した鳳凰、もといスミレに和人は苦笑しながら名を告げる。


「スミレ……何故かとてもしっくり来ます……ありがたくこの名前をいただきます」


カレンと同じく深く頭を下げるスミレ。和人はそれに満足そうに頷き、九尾の方を向く。


「次は九尾だ。九尾、お前の名前はローズ。名前の意味は無邪気、清純だ」


「ローズかぁ……うん!アタシこの名前好き!これからアタシはローズね!和人様、ヴェル様、改めてよろしくね!」


「私の事は様付けしなくて良いぞ。私がマスターと同等何て畏れ多い」


名前の由来通り、無邪気に話すローズにヴェルは微笑みながら喋る。ヴェル曰く、和人は絶対的存在であるらしい。事実その通りであるわけだしと和人も苦笑するだけで留める。


「最後は霊亀、お前だ」


ヴェルに絶対的存在扱いされて苦笑しつつも少し照れ臭くなった和人は、それを誤魔化すようにして霊亀に向き直る。


「よろしくお願いします……」


相変わらずの無口無表情振りだが、その声はどこか弾んでいた。


「霊亀、お前の名前はミセバ。ちょっと変わった名前だが、意味がつつましさ、おだやかと言ったものでお前にピッタリだと思ったんだが、どうだ?」


「ミセバ……うん……私、この名前が気に入りました……」


どうやら気に入ってくれたようで、ミセバの無表情が僅かに崩れた。それはまるで笑っているよであり、和人は思わず一瞬目を見開いてしまった。


「うし、ならお前等の名前はこれから、カレン、スミレ、ローズ、ミセバだ。ちゃんと覚えろよ?」


ミセバの表情に一瞬目を奪われたが、それを誰にも気付かせず、何も無かったかのように話を進める和人。


「カレンにスミレにローズ、そしてミセバが……流石はマスター。良い名前じゃ」


名前を付けられた神獣達は一斉に頷き、ヴェルもきちんと彼女等の名前を覚えたようで、神獣達と一緒に頷いていた。


「んじゃそろそろ走るか。お前等人型になれるか?」


「問題ありません。ですが能力が半減してしまいますし、窮屈です」


街に入るには人型になることが必須なので皆に確認してみたが、どうやら問題は無いようだ。和人はそれなら安心だと頷き、足に魔力を流し始めた。


「なら街の近くまではその姿でいい。だが街に入る前にきちんと人気の無い所で人型を取れよ?」


「「「「はい!」」」」


彼女達は一斉に返事をして、和人と同じように魔力を流し始めた。


「やれやれ……何時かは常に人型でいられるようになるのだぞ?」


ヴェルも足に魔力を流しながら、今後するべき事を示す。


「じゃあ行くか。街に着いたらお前等も冒険者登録して貰うからな」


その言葉を最後に、風や音全てを置き去りにしる速度で和人達の姿は掻き消えた。後に残るのは神獣達の巨大な足跡と、二つの抉れた地面だった。

もしかしたら近いうちに契約1と契約2の題名を変えるかもしれません。


作者の豆知識

今回名付けされた神獣達の名前は、実は全て花から取ってあります。意味もその花の花言葉です。ここではそれを説明したいと思います。


注:作中ではその神獣にピッタリの部分だけを載せています。また、花言葉には花の色や種類によってそれぞれ別の花言葉があります。どれがどの色やどの種類かは横に書くので、是非確認してください。


・カレン(花蓮)→蓮

応龍に付けられた名前。花言葉は「雄弁」「休養」「沈着」「神聖」「清らかな心」「離れゆく愛」


・スミレ(菫)→スミレ

鳳凰に付けられた名前。花言葉は「小さな愛」「誠実」「小さな幸せ」

(紫)「貞節」「誠実」

(白)「誠実」「謙遜」「あどけない恋」「無邪気な恋」

(黄)「牧歌的な喜び」「慎ましい喜び」


・ローズ(薔薇)→薔薇

九尾に付けられた名前。花言葉は「愛」「美」「内気な恥ずかしさ」「輝かしい」「愛嬌」「新鮮」「斬新」「私はあなたを愛する」「あなたのすべてはかわいらしい」「愛情」「気まぐれな美しさ」「無邪気」「爽やか」


(帯紅)「私を射止めて!」

(赤)「愛情」「模範」「貞節」「情熱」

(黄)「嫉妬」「不貞」

(白)「尊敬」「私はあなたにふさわしい」

(ピンク)「上品」「愛を持つ」「しとやか」

(朱赤)「愛情」

(薄オレンジ)「無邪気」「さわやか」

(青)「神の祝福」「奇跡」「夢 かなう」

(蕾)「愛の告白」(葉) 「希望あり、がんばれ」(トゲ)「不幸中の幸い」

(ミニバラ)「無意識の美」

(バーガディー種)「気づかない美」

(ヨーク・アンド・ランカスター種)「戦い」


・ミセバ→ミセバヤ・・・漢字は無し

霊亀に付けられた名前。花言葉は

「平穏」「静穏」「安心」「つつましさ」

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