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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
五章 神獣大激突編
46/82

神獣邂逅

テストが終わったので更新再開です。

「「あっ」」


それぞれ違う依頼を受けていた和人とヴェルは、ブレイアルの街近くの聖戦の平原でばったりと再開した。


「どうやら無事終わったよだな。初の依頼はどうだった?」


「うむ、中々歯応えのある奴等じゃったの。にしてもここまでピッタリとなるなんと本当に奇遇じゃの」


何故ここが聖戦の平原と呼ばれのかと言うと、かつて四体の神獣が争った場所だと伝わっているからであり、ブレイアルの街からおよそ30kmといった距離である。この時ブレイアルの街は戦いの衝撃で甚大な被害を被った。それゆえ人々はそれを恐れ、畏怖を念を込めて「聖戦の平原」と呼んだ。


「俺の標敵は結構面白かったぞ。死体持って来たから見せてやるよ」


「おお!実は私も討伐証明が何処だか分からなくて死体を丸ごと持って来たのじゃ!」


二人は互いに談笑し合い、別空間に放り込んである火竜とデスピナスを取り出そうとしたその瞬間……


「「!?」」


遥か遠くから、明らかに人間や魔物ではあり得ない速度でこちらに向かって来る巨大な魔力を4つ感じ取った。


「マスター……」


「ああ……」


【魔神眼】発動。


ーーーーーーーーーー


名前:(無し)

種族:九尾 (神獣)


名前:(無し)

種族:鳳凰 (神獣)


名前:(無し)

種族:応龍 (神獣)


名前:(無し)

種族:霊亀 (神獣)


ーーーーーーーーーー


「くっ⁉︎」


「マスター⁉︎」


魔力の正体を認識した直後、和人は軽く目眩を起こしてふらつき、ヴェルがそれを抱きしめるようにして支える。


「悪い、大丈夫だ。まだこの魔法を完全に使いこなせてないだけだ。それよりも魔力の正体が分かったぞ……」


「マスターがそう言うなら……でも無理だけはしないでくれ。それで魔力の正体は何じゃったのだ」


まだ少し心配そうなヴェルに苦笑し、和人は今感じ取った魔力の正体を説明する。


「俺がさっき創り上げた【魔神眼】で見たところ、どうやら今こっちに向かって来ているのは神獣達だ。何か互いに攻撃し合っているけど、仲間割れとかでは無いっぽいな」


「なんと……確かに会いたいとは思っていたがまさかこんな早くに会えるとは……攻撃し合っているのは力試しか何かかの?」


二人は軽く顔を見合わせ、同時にニヤリと笑った。


「で?勿論戦うんじゃろ?」


「ああ勿論だ……神獣達はどれくらい強いんだろうな……」


そうこうしているうちに、神獣達と和人達の距離はもう数百メートルにまで近付いて来ていた。既に二人の視界には綺麗な九つの尾を持つ狐をはじめ、美しい羽と体躯を持つ鳥、西洋の龍を彷彿される青い鱗の龍、そして巨大な甲羅に白い煙らしきものを纏わり付かせた亀が見えている。


「あれが神獣……中国に伝わる瑞獣がモチーフか……」


「ヴェル!あの鳥と龍はくれてやる。だが狐と亀は俺が貰うぞ!」


「お任せを!」


そう言って二人は神獣達に向かって走り出した。


***


「アハハハハッ!楽しいねやっぱり!」


「ええ、心がこんな昂ぶるのは久方ぶりです」


「悔しいけど、僕も同感だ」


「皆……強い……」


神獣達は常人ではまず捉えられ無いレベルの速度で移動しながら、互いに攻撃を放ち合っていた。


「ん?何か来ますね……」


「アタシ達と同等の速度だね。何だろう?」


「何だっていいさ。取り敢えずは今の戦いを楽しもう」


「応龍……あんまり乗り気じゃなかったのに、今は一番ノリノリ……」


神獣達は近付いて来る何者かの存在など知ったことかとばかりに戦いを続ける。しかし次の瞬間その戦いは思わぬ展開を迎える。


「よお、俺達も混ぜてくれよ」


少年のような声が九尾の耳元で聞こえ、次の瞬間には九尾の巨大がブレ、数百メートル先の大岩に叩きつけられる。


「うわっ⁉︎」


「九尾⁉︎どうしたのですか⁉︎」


「九尾が吹き飛んだ?」


「いや……何者かに攻撃されてた……」


九尾が吹き飛ばされた事により、神獣達は一旦動きを止めた。しかしそれはとある存在からしたら絶好のチャンスとなる。


「動きを止めたら駄目じゃぞ?」


「ぐあっ⁉︎」


動きを止めた一瞬の間に空中にいた応龍が地面に叩きつけられ、叩きつけられた地面に巨大な亀裂が作られた。


「今度は応龍ですか!」


「気を付けて鳳凰……何か……いる……」


霊亀の言葉に頭を冷やした鳳凰が、その鋭い双眸で周囲を確認し、遂に攻撃者の正体を知る。


「に、人間⁉︎」


そう、その双眸に映ったのは黒髪黒眼の少年と、金髪金眼の少女。


「はっ!ようやく気付いたか神獣共!」


「ふふ、神獣と呼ばれてるからどんな物かと思ったが……大した事無いのぉ」


自分達が気付かれた事に気付いた和人とヴェルは、目の前の存在に向かって挑発的笑みを浮かべた。


「不意打ちで二人にダメージを与えられたからと言って調子に乗るな人間共が!」


「九尾と応龍はまだやられて無い……余り調子に乗らないで……」


鳳凰はあからさまな敵意を瞳に浮かべ、霊亀は静かだが明らかに怒気の含んだ声音で目の前の人間に殺気をぶつける。


「ふーん、流石に神獣ってくらいの威圧感は持ってるな」


「だが悪いが私達には通じないのぅ」


それを二人は平然と受け流し、逆に挑発をする。

鳳凰と霊亀は自分達の威圧がただの人間ごときに全く効かなかった事に驚き、息を呑む。そこでようやく九尾と応龍が復活した。


「誰!アタシを吹っ飛ばしたの!アタシがもっともっと吹っ飛ばしてやるんだから!」


「不意打ちとは言えかなりのダメージを負ったよ。この借りは返させて貰うよ?」


先程のダメージは何処行ったのかと言った雰囲気で和人達にそう言う九尾と応龍。それに対して二人は顔に笑みを浮かべながら九尾と霊亀、鳳凰と応龍にそれぞれ指を指して口を開く。


「「お前(お主)等の相手は俺(私)がしてやろう」」


ここに神獣対超越者の戦いが始まった。だが神獣達は知らない。目の前の相手が一体どんな存在なのかを……


超越者とは和人とヴェルの事ですね。まあ分かるとは思いますが。


次回は和人視点かヴェル視点のどちらかで書きます。

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