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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
四章 王都学園編
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番外編 〜魔王達の今〜

はい、ようやく番外編を書き上げました!内容はアリア達の今の様子です!

「魔王様!こちらの書類に目を通しておいて下さい」


「魔王様!巨人族の族長が面会を求めております!」


「魔王様!魔湖が決壊して水が溢れています!このままだと近くの集落に被害が出る恐れが!」


「あーもう!そんないっぺんに持って来ないでよ!書類はそこに置いといて!巨人族の族長は第三応接室に通しておいて!決壊してる魔湖にはヒヤルを向かわせるから、その案件については彼の指示に従って!」


魔王城の奥に存在する魔王の間。今その場は喧騒に包まれている。

何故かと言うと、


「ふぅ……カズト様が魔族の頂点に立たれてからと言うものの、忙しくてかないませんな」


三目の魔人であるリュオンが書類を片手にそう呟く。

そう、この忙しさの理由は和人が魔族の頂点に立ったが故に起こっているのだ。


和人が魔族の頂点に立った数ヶ月程前、その時に魔王城に居た者は全て和人の実力を思い知り、服従を誓ったが、当然その場に居なかった魔族も多々いる。

今までアリアに従っていた魔族達が、急に頂点が変わったからその者に服従しろなんて言われても、納得するわけがない。つまり何が起きてると言うと、和人の事を知ら無い魔族達がアリアの元を離れて好き勝手しているのだ。彼等曰く、そんな何処ぞの馬の骨とも知れない奴に従ってられるかとの事だ。


「はぁ〜、カズト様も面倒事を残してくれたな……それに我等が神を貶めたのは人間共が崇拝する神では無く、主神の遣いだった何て急に言われても正直着いていけないぜ……」


鬼の魔人であるグアルディオラもこの忙しさについつい愚痴を零してしまう。


「ああ忙しい忙しい。全く、直接来てカズト様の配下になることを了承してくれる人達はいいけど、自分が新たな魔王だとか言い出して調子に乗る馬鹿には困ったものだわぁ……カズト様は素敵なんだけど、適当よねぇ……」


吸血姫のリリアンは雑談する余裕も無く、ひたすらと書類に向かっている。因みに書類の内容は自分こそ新たなる魔王だとか言い出した魔人の処理についての報告書だ。


「あーもうつーかーれーたー!」


「魔王様、少しは威厳を醸し出して下さい」


ずっと書類仕事をしていたアリアは、ついにダウンしてしまった。

それを諌めるリュオンも、目の下にでっかい隈を作っている。

ヒヤルは先程の魔湖が決壊した問題の対応に出掛けていて今はいない。


「ねぇ、そう言えばさっきグアルディオラも言ってた事って何?私忙しくて全然知ら無いのよね」


アリアがふと思い出したように話し出す。その内容は和人がファルシオンから聞いた事であり、丁度連絡を取ってたグアルディオラに伝えたのだった。


「お主が言った話はワシも知らんのぉ。グアルディオラよ説明してくれ」


「何々?何の話?」


リュオンとリリアンも興味を持ったらしく、グアルディオラに説明を求める。


「すまん、ここ最近忙しくて忘れてたぜ。ええと、さっきの話って言うと主神の遣いとかの話でいいのか?」


三人は同時に頷き、話の続きを促す。


「つい昨日の事なんだが、俺の脳内にカズト様の声が聞こえて来たんだ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜


『グアルディオラ、聞こえてるか?』


「え?この声はカズト様ですか?」


『そうだ。きちんと聞こえてるようだな』


「はい、聞こえてますが、これは?」


『ああ、これは念話って言う技能で、知り合いならどれだけ遠くにいても話せるって言う優れ物だ』


「はぁ、流石はカズト様ですね。我等の理解の追いつかない事を意図も容易くこなしてしまう」


『はは、褒めるな褒めるな』


「褒めてるわけじゃないんですが……まあいいです、一体何の御用で?」


『おお、そうだそうだ、ちょっとお前等に話ときたい事があってな』


「話しときたい事、ですか?」


『ああ、以前話した神々の事なんだが、実はな…………」


「……………成る程つまりその主神の遣いって奴が我等が信仰する神を貶めた真犯人なんですね。他の世界神もそいつらに嵌められたと……そう言う事ですか?」


『ああ、理解が早くて助かる』


「はは、カズト様が態々冗談でこんな事言わ無いと言う事は分かっていますから」


『そう言って貰えるとありがたい。てことで伝えたい事は伝えたんで切るな』


「はい、また何時でも来てくださいね」


『ああ、来れたらな。じゃあ失礼する』


「……切れたか……しかし主神の遣いとはこれまた面倒そうな奴が相手だな……」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜


「と言う訳だ」


グアルディオラの話を聞いたアリア達の表情はとても真剣だった。

そんな中、魔王であるアリアが代表して口を開く。


「成る程よく分かった。カズト様がそんな嘘を吐くために態々そんな事しないって言うのは納得出来る。と言う事はその話は真実なんだろう。……正直私に来なかったのが悔しい……」


「魔王様、グアルディオラの話によると、カズト様からの連絡は我等が忙しなく働いている時に来たと思われます。だから偶然暇な時間があったグアルディオラに来たんでしょう。だからしょげないで下さい。仕方ない事だったんですから」


リュオンがしょげるアリアを慰める。どうやらアリアは話の内容よりも自分に念話が来なかった事の方が重要だったようだ。


「ではこれから私達はどうするんですか魔王様?」


このままだと話が進まないと判断したリリアンが、すかさず質問をした。


「ん?ああ、そうだな……取り敢えず人間との戦争する為にして来た軍備強化はこのまま利用するとして、問題は何て説明するべきかだな……」


ちょっと前までしょげてたとは言え、流石は魔王と言うだけあって、直ぐ様問題について検討し始めた。


「魔王様、それなら取り敢えず今暴れている魔人達を配下に加えるべきです……」


その言葉と共に、和人と同じ歳くらいの見た目の少年が現れた。


「⁉︎……ヒヤルか……話を聞いていたのか?」


「申し訳ありません。魔湖の決壊を修復し終えたので報告に来ましたら、偶然聞いてしまいました……」


現れたのは漆黒の羽を持つ悪魔族の魔人であるヒヤルだった。


「それにしても、今暴れている魔人達を配下に加える、か……確かにそれなりに腕の立つ者もいるし、当分はその案で行こう。取り敢えず私とリュオンが書類等の処理をするから、リリアン、ヒヤル、グアルディオラは各地に向かい暴れている者を抑えて来い!ある程度なら兵を動かしても構わん!」


アリアは魔王の表情になりそう命令する。


「「「「はっ!」」」」


自らの主君の命を受け、それぞれが自らの与えられた使命を果たしす為に行動する。この行動の素早さは流石元四天王達だと言える。


「カズト様、こちらは私達にお任せ下さい……」


そう呟いたアリアの言葉が、誰もいない部屋に響き渡った。



これにて本当にこの章は終わりです。次回からは次の話からは第五章となります。



○○族の説明


○○族とは、魔物が魔人となり超高度な知識を手にした者達の集り。


例:巨人族→タイタン、サイクロプス等の魔人の集まり。これには進化前のただのタイタンやサイクロプスは含まれ無い。魔人化して無い者は魔物と言った一つの括りになる。


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