学園にて
やばい…本気でサブタイトルが思いつかない…orz
てことで今回のサブタイトルも雑です。ごめなさいm(_ _)m
P.S.
この話に繋げる為に前話の四章プロローグを大幅に手直ししました。もし、2014年8月8日までに四章プロローグを読んでいた方がいらっしゃいましたら、お手数ですがもう一度四章プロローグを読み直して下さい。私のミスで皆様にご迷惑をお掛けします事を心よりお詫び申し上げます。本当にすいませんでした。
ミロガス王国王都。ゼノシア帝国の王城を消し飛ばした和人とヴェルは今ここにいた。
「この国から神々から感じる力が僅かだが感じた」
ミロガス王国の近くを通った際、ヴェルがこう言ったのがこの場に足を運んだ理由だ。
この国に入る際、門での身分証明書の提出の時に、EXランク冒険者とSSSランク冒険者って事で一悶着あったが、それ以外は概ね順調に事は進んだ。
「さて、とヴェル。どの辺りから神の力…神力を感じた?」
「ほんの一瞬だったから詳しくは分からんが、おそらくあそこだろう」
そう言ってヴェルの指差す方向へ目を向けると、そこにあったのは「ミロガス大魔道学園」だった。
「行ってみるか……」
「うむ、了解だマスター」
俺達はミロガス大魔道学園に向かい歩き出した。
30分程歩くと、目の前にミロガス大魔道学園の校門が見えて来た。見張りだろうと思われるおっさんは、門の横に建ててある休憩室らしき場所で爆睡だ。……これは黙って入ってもいいんじゃないか?
少し悪い考えが浮かんだが、流石にそれはマズイので、一応おっさんに声を掛けてみる。
「あー……すいません、ここに用事があるんですが、通っていいですか?」
「グガー、コクリ……グガー、コクリ……」
・・・入ってもいいな!だってコクリって頷いたし!
おっさんから許可(?)を貰った俺達は、ミロガス大魔道学園の敷地に足を踏み入れ、その広さに驚愕した。
「ここって帝国の王城より広いんじゃね?」
「確かにそうかもしれんな……この広さは驚きだ」
各々感想を言い合ってから再び歩き出し、学園の校舎の中に入った。目的の神力の出どころは一番上の階なので、上の階の、神力を感じる場所に向かって歩いているのだが、ヴェルのような絶世の美女と、漆黒のロングコートと、漆黒のロングパンツ(この二つは俺の魔力が形成した生態武具だ)の男は目立つ。制服じゃない時点でかなり目立つだろうが、こんな怪しいさ満載の二人組はそれより更に目立つ。
(やっぱり校舎ぶっ壊してでもジャンプして行けば良かったな……)
今更後悔しても遅いが、後悔せずにはいられない。すると、
「止まれ貴様等!ここは神聖なる学び舎!部外者が勝手に立ち入ってよい場所では無い!」
いかにも気が強そうな女子生徒が絡んで来た。腕章に生徒会と書かれているので、彼女が生徒会の役員だと分かった。てかこの世界にも生徒会ってあるんだ……
「どうするのだマスター?」
「ほっとけほっとけ。それより神力だ。あんな女よりそっちの方が重要だ」
こっそりと問い掛けて来たヴェルに、同じくこっそりと返答して、生徒会の役員と思われる女子生徒は無視する事に決定した。
「待て!止まれと言ったのが聞こえ無いのか!」
まあそれを相手が容認するかは別だけど。
仕方無いので適当に返答してやる事にした。そうしないとしつこく着いて来られそうだし。
「はあ〜……うるせぇな……何?別に何か悪い事した訳じゃあるまいし、うっとおしいんだけど?用事済ましたら帰るし、あんたらも俺等に構うよりも、他の事済ましとけよ……」
いかにも、めんどいです。とばかりの返答に、女子生徒の顔が憤怒に染まる。
「私はブレイメン侯爵家の長女で、このミロガス大魔道学園の生徒会長でもあるんだぞ!そんな私にその態度はなんだ⁉︎もう許さん!貴様等にはこのミロガス大魔道学園への不法侵入と私に対する不敬罪で処罰する!」
ブレイメンって、音楽隊かよ……てか生徒会長だったのかこの女は……。
生徒会長でもある女子生徒は、腰から鞭のような武器……と言うか本物の鞭を取り出し、俺達目掛けて振り下ろして来る。
「ヴェル」
「承知」
ヴェルはその鞭を掴み、逆に女子生徒をこちらに引き寄せ、鳩尾に強烈な拳を叩き込み吹き飛ばした。……大体20mは飛んだかな?
「かはっ……⁉︎」
吹き飛ばされた女子生徒は、苦悶の表情で近くにいた他の生徒に支えられていた。どうやら意識を失っているようだ。
「嘘だろ?生徒会長があんなあっさり……」
「生徒会長って確か、その年で総合成績が一番良かった人がなれるんでしょ?私達より全然強い筈なのに……」
「やばい……あの女の子めっちゃ好みだ……」
「私はあの男の子が好みよ……あの冷たい瞳で見られたらと思うと….…はぁはぁ……」
今の光景を見ていた周りの生徒達が口々に騒ぎ出し、騒々しい事この上無い。てか何か変なのが混ざっていたぞ今。ヴェルに手を出したら殺すぞ?そして俺の目は別に冷たく無いぞ。だから欲情するのはやめてくれ。
「辺りが騒がしくなって来たな……ヴェル、急いでこの場を離れるぞ」
「分かった」
俺達は騒いでいる生徒達の間を通り抜け、上へ向かう階段に急いだ。その時、
「何してるのあなた達!早く教室に戻りなさい!」
よく響く声が辺りに響き渡り、一瞬の静寂が場を支配する。それを起こした正体に視線を向けると、そこには一人の女性が居た。しかし、俺はこの女から特別な物を感じた。
(まさか……)
久々に「特神眼」を発動し、件の女性のステータスを覗いてみた。
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名前:サミネ・スプラウター 27歳
種族:半神半人
生命力:300(76500000) / 300(76500000)
魔法力:800(87600000) / 800(87600000)
力:120(5250000)
守:80(4000000)
速:100(6240000)
魔:700(8000000)
スキル:「火風魔法」・・・火属性と風属性の魔法の威力を上げる
技能:「火魔法上」・・・火属性の魔法を上級まで使える
「風魔法上」・・・風属性の魔法を上級まで使える
称号:「学びの長」・・・何らかを学ぶ場所の長である証明。指導技能が上がる
「光の神の加護」・・・光の神ファルシオンが宿っている証明。自身のステータスに光の神ファルシオンのステータスが上乗せされる
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やはりな……どうやらこのサミネとか言う女には光の神が宿っているようだ。どして今までこいつらの記憶が探れ無かったか漸く分かった。そうだよな、「神の知識」は”神の”記憶を探る能力だったな…”半神半人”の記憶は探れ無いよなそりゃあ。
そう気付いた時には既に俺は動いていた。
「よう……光の神ファルシオン……お前を探してたぜェ?」
サミネの背後に周り込み、耳元でそう語った。
「っ⁉︎そうか、君がある日突然夢の中に現れたファルシオン様がおっしゃった子ね……」
驚きで一瞬ビクリとなったが、直ぐに落ち着きを取り戻し、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「君にファルシオン様からの伝言があるの。ここでは言えない事だから私の部屋に来てちょうだい」
「伝言だ?その口ぶりからはあいつは俺の事知ってたみたいじゃねーか……なら俺の目的も知ってるはずだ。伝言をする意味など無いだろう」
少し警戒しながらそう伝えると、サミネは苦笑しながらその事について述べた。
「そうね、ファルシオン様は知ってたわよ貴方の事。それを踏まえての事だからそんなに警戒しなくても良いわ」
その言葉を聞いた俺は、ヴェルを、目配せでこの場に呼び、サミネに着いて行くことにした。
サミネ(ファルシオン)はヴェルの事は知らなかったようで、少し疑問に持ったようだが、俺の仲間だと言うことを説明したら、納得したように頷いて同行を許可した。
一体ファルシオンは俺に何を伝えたいのだろうか?
次回光の神ファルシオンが登場します。




