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光属性美少女の朝日さんがなぜか毎週末俺の部屋に入り浸るようになった件  作者: 新人@コミカライズ連載中
第二章:闇属性の影山くんの這い上がり方

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第134話:プチ同棲 その6

「……独占インタビュー記事?」


 画面を見て、すぅ~……っと色んな熱が下がっていくのを感じながら尋ねる。


「うん! 帰国前に向こうで受けたやつ!」

「これって……もう公開されてるやつ?」

「んーん、まだだよ。公開前にチェックして欲しいって送られてきたやつ」

「……それって、俺が見ていいもんなの?」

「んー……家族に見せる分には大丈夫って言ってたから大丈夫なんじゃない?」


 それは世間一般的にはダメなんじゃないかな……と思いつつも、何も言えなかった。


「ライジングサンだって。確か、現地の記事でもそう呼ばれてたよね」

「えへへ、なんか照れるよね」


 眼の前で光が屈託のない笑顔を浮かべると、邪な気持ちを抱いていた自分を咎められているような気分になってくる。


「でも、ゲームのキャラみたいでかっこよくない? 二つ名って」

「確かに……! コラボキャラとかになれたりするかな……!?」

「レア度は?」

「もちろん、SSRで!」

「そんなの実装されたら天井まで引かないといけなくなるじゃん」


 俺の冗談に、二人で声を上げて笑う。


 さっきまで抱いていた煩悩は、もうどこかに消えてなくなってしまっていた。


「で、これ読ませてもらってもいい?」

「もちろん! ていうか、私もまだちゃんと読んでないから一緒に読も!」


 二人でうつ伏せの体勢になり、枕元に置いたスマホの画面を一緒に眺める。


 インタビューの内容はテニスのことから始まり、副業のモデルに関すること、学校や趣味といったプライベートのことまで多肢に渡っていた。


 ゲームが趣味であることも公言し、今ハマっているタイトルについて熱く語っている。


 記事が公開された直後に、当該タイトルがセールでもないのにランキング入りすることだろう。


 そうして、二人であれこれ言いながら読んでいた記事も終盤に差し掛かる。


『日本に帰ったら何がしたいですか?』


 最後のページには、長期滞在の締めとしてそんな質問が書かれていた。


 光が指で画面を撫でて、スクロールして自分の答えを画面に映し出す。


『一番伝えたい人に直接、優勝の報告に行きます!』


 ふと隣を見ると、全く同じタイミングで光もこっちを向いていた。


「これって誰のこと?」

「え~……わかんないの~……?」

「誰だろう……日野さんかな? それとも緒方さん?」

「ぶぶーっ! もちろん、彩火と茜にもちゃんと報告したけどこれは別の人のこと」

「別の人……他に誰かいたっけ? あっ、まさかの大樹さん?」

「大外れも大外れ。もっと身近で……今も一番近くにいる人……チューできちゃうくらい」

「じゃあ、もしかして……? 俺……?」

「……ぷっ、あっはっは!!」


 長々と続いた茶番に、堪えきれなくなった光が吹き出した。


「も~!! 何それ~!! 最初から分かってたでしょ~!!」

「それはそうなんだけど……自分で言うのはちょっと恥ずかったから……」

「ほんとは世界で一番大好きな彼氏ですって言いたかったんだけどね~。お母さんがそれはダメって。今後のぶらんでぃんぐ……? のためとかなんとか言って……」

「ははは……それはおかげで助かったかも」


 不満そうに頬を膨らませている光の隣で苦笑いする。


 流石に、全世界一億人の朝日光ファンを敵に回すのは正直まだ少し怖い。


 お母さんの強かさにそこは助けられた。


「む~……黎也くんまでそんなこと言うんだ~……。もっと全世界に向けて、『朝日光は俺の女だー!』って示しちゃってもいいのにぃ~……」

「そこはだって……ほら、さ? SPでも付けないと外も歩けなくなるし」

「大袈裟すぎぃ……」


 俺が大袈裟なんじゃなくて、光が自分を過小評価しすぎなんだと思うだけに留めた。


「じゃあ、世界には示さなくていいから……私には示してくれるよね?」

「……というと?」


 俺の言葉に、光は目を瞑って『んっ……』と顔を突き出してきた。


 最初からこれが目的だったのだとしたら随分と遠回りなおねだりだ。


 とはいえ、拒否する理由なんて世界のどこを探してもあるわけがない。


 顔を近づけて、チュッと軽く唇を重ねる。


 ちなみに、これで終わるなんてもちろん思っていない。


「今ので示せた?」


 案の定、遠回りに『おかわり』の要求が為される。


「どのくらいすれば示せるかな」

「んぅ……どのくらいっていうか……」


 少し照れくさそうに視線を逸らした光が、布団の中で身体をモゾモゾさせる。


「あー……抱っこしながら?」


 ふるふると首が横に振られる。


「……じゃあ、頭を撫でながら?」


 また首が横に振られる。


 今日の解読は少し難しい。


 視線を枕の方へと向けたまま、指先を絡めるように遊ばせている光。


 最初は単に恥ずかしそうにしてるだけかと思ったが、すぐにそれがある行為を示しているのに気がついた。


「大人のやつ……?」


 光が顔を耳まで真っ赤に、首が小さく縦に振った。

新作を二作投稿したので良ければそちらも読んでみてください。


『Re:二度目の青春でやるべきたった一つのこと ~高校時代にタイムリープした俺は未来の知識で隠れた才能を持つ同級生たちをプロデュースする~』

https://book1.adouzi.eu.org/n2476lm/


『白河真白は清く気高く、そして淫らである』

https://book1.adouzi.eu.org/n2467lm/

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書籍第一巻は10月13日発売!!

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