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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第8章】 目まぐるしい日々
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あこがれの先輩? (2)

 さりげなく腕を引かれるままに、ウチの会社の女子社員がみんなして狙っている、将来出世間違いなし、おまけにイケメン高身長な先輩と歩き出したわけだけど。


 今までは挨拶を交わす程度の距離。

 たまには話しもするけれど、そんないきなりふたりでお茶しようなんて言うほどの仲ではない。

 なのにいきなりの大接近に正直戸惑っている。


 こんな素敵な人とふたりで……なんて考えるだけで嬉しいドキドキのはずが、なぜか困惑の気持ちが湧いてくる。


 龍也たつやくんはきっとこんなことぐらいでは何も言わないだろう。

 別にやましいことはないのだから、正直に話せるし。

 

 先輩の行動は、さりげなくというより少し強引な気さえしてきた。

 あこがれの先輩と……嬉しさともやもやとが混在する。


 そんな心配をよそに、先輩はとても優しかった。

 駅前のカフェで軽くお茶を飲みながら、お互いの事をあれこれ話して。

 いつも会社では見せないようなお茶目な一面や、冗談なんかを言ってる姿を見て、凄く親しみやすい素敵な人なんだと確信した。


「先輩は彼女はいないんですか?」


 調子にのって、つい余計なことを聞いてしまう。

 だって、こんな素敵な人に彼女がいないわけないし。

 もし彼女がいるのなら、こうして私とお茶なんかしていてもいいのかしら?


「まさか。そんな人はいないよ」


 まあ、普通はそう答えるわよね。


「信じられませんね」


 だって、こんなにカッコイイんだよ。

 パッチリ二重でつぶらな瞳。鼻筋は通っていて、少し薄めの唇はクールな感じ。

 男性なのにアイドルのようなサラサラヘア。

 その上、仕事もできて優しい。

 周りが放っておくはずがない。


「葉月さんは?」


「え?」


「彼氏はいないの?」


 私には龍也くんというれっきとした彼がいる。

 でも、その存在は会社ではヒミツ。

 急にそんなことを聞かれて、どう答えれば?

 まあ、私がそんな話題をふったのがいけないんだけど。


「そんなぁ。わたしのことはいいですから~」


 とりあえず、お茶を濁しておこう。

 彼がいるともいないとも、はっきり言わなければウソをついたことにはならないし……っていうことで。


「どうして?」


「どうして、って言われても」


 どうしてって言われても困る。どう答えようか。


「私は先輩のお話が聞きたいなぁ、なんて」


 うっ、苦し紛れに言ってしまったけど。


「俺は葉月さんの話が聞きたいな」


 え、どうしよう。



お読み下さりありがとうございます。


次話「あこがれの先輩? (2)」もよろしくお願いします!


次話でいよいよ99話になります。

もうすぐ100話♪

頑張ります!

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