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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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クリスマスの日(2)

 ホント年下ってのは可愛いもんで。得だなって思う。

 同じことをしていても、同じことを言っていても、ただ年下っていうだけでポイントが高くなっちゃう。

 っていうか、つい構いたくなっちゃう。他意はないのに。


 そういえば私だって、年上の人といるときは特別扱いしてもらっているし、大事にされている気分になる。

 みんな同じなんだな。

 年下には甘いってことか。納得。


 ああ、でも同性ならまだしも、たまに異性の年下には勘違いされるから、気をつけないと。

 前にも異様に懐かれたことあったっけ。他意はなくとも、誤解を生みやすいところが難点。


 でも浩ちゃんとはそんな心配無用で付き合えるから、気を使わなくていいし、楽な関係。


 だけど、クリスマスの夜を寂しいもの同士、ふたりで過ごすなんて。

 よく考えたらちょっとヘンかな?

 私はなにも考えずに浩ちゃんの提案にのったわけだけど。

 なんのプランもなしにただブラブラするのもなんだし。

 どうしよっか。


「ねえ、これからどうする?」


「まず食事。その後は……その時に!」


 ほおう。

 いっちょ前になにかプランを考えているのか。


「オッケー」


 なんて軽めの返事をして彼について行く。




 

 食事をすませて、さあこれからどこに?


「あのさぁ。俺、前から好きな人とクリスマスに行ってみたいところがあったんだけど」


「へぇ、そうなんだ」


海彩みいちゃん、一緒に行ってくれる?」


「へ? なんで私と?」


 あんまり驚いて、すっとんきょうな声を出してしまったけれど。

 どういうつもりだろう。


「凄く綺麗なところなんで」


「でも、好きな人と行きたいところなんでしょう?」


「うん」


「じゃあ、その人と行けばいいじゃん」


 言ってしまってから、しまったと思った。

 浩ちゃんは片想い中で、その相手の女性ひとには好きな人がいる。


 叶わぬ恋に恋い焦がれている。

 哀しき想いに胸を痛めている。


「だから……」


 うつむき加減な彼に、私の心も苦しくなった。


「ごめん。いいよ。私とでよければ一緒に行こ」


 するとみるみる表情が明るくなり、私の手を引っ張って歩き出す。


「ありがと。海彩ちゃんならそう言ってくれると思った」


 うっ。読まれていたのか……。


 ほんっと、年下は甘え上手で。

 っていうか、私が年下に甘いのか?

 それとも浩ちゃんに甘いのか。



お読み下さりありがとうございます。


次話「クリスマスの日(3)」もよろしくお願いします!

年下編は次話まで。

その後、年末年始編になります。

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