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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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クリスマスまであと少し

 結局OG会でのクリスマスパーティーは、21日の夜に先輩の別荘を飾り付けして行うことになった。

 私も定時で退社して、大急ぎで向かわなければ。

 まあ、別荘といってもそんなに山奥とかにあるわけじゃなく、電車でも1時間程度で行ける。

 


 別荘には、21日金曜日の仕事終わりから2泊。だけど私は1泊で帰ることにした。

 ひとり、どうしても仕事の関係で1泊しかできないっていう同期がいたから。

 その同期が帰るときに車に便乗して最寄りの駅まで送ってもらうことに。


 その後電車に乗って、龍也たつやくんと待ち合わせている駅に向かうことにした。

 なんだかんだ言っても、私は龍也くんのことが好きみたい。

 浩ちゃんに話を聞いてもらって、すっきりした私は「ごめん」と、珍しく素直な電話をかけた。

 

 きっと怒っているだろうと心配しながらかけた電話ではあったが、彼のほうはなにも気にする様子もなく、いつも通りの優しく楽しい龍也くんでいてくれた。

 彼なりに気を使ってくれたのかもしれない。



 龍也くんは、22日の朝の新幹線で帰ってくるらしい。連休初日。そのまま電車デート。

 そして夕方には一旦家に帰り、彼はまた前の連休の時と同じく、夜には友人達との飲み会に。

 私とはまた次の日に、今度はドライブデート……の予定。


 全く、友人との飲み会がメインなんだか、私とのデートがメインなんだか。

 気持ちは解るよ。友達は大事だもん。でもね。


 でもクリスマスだよ。


 ただの連休じゃないんだよ。なんて。




 まあ、いっか。


 もうあまり期待をするのはやめておこう。

 楽しみにして裏切られたときのショックは大きすぎるから。

 いい加減私も学ばなきゃな。

 というか、遠方に行っても、帰ってくる度に会おうって言ってくれる友人がいるって、素敵だなと思う。

 私にはそんな友人いるだろうか、とちょっと考えたりした。


 そう思うと、彼には友人を大事にしてほしいと思った。


 

 仕事の方も忙しく、仕事納めまでは残業も必須だ。

 今年の仕事は今年のうちに! 

 じゃないけど、せっかく新しい年を迎えるのだから、心置きなく楽しみたい。


 ああ、それなのに時間が足りない!

 

 仕事納めは27日。28日~1月6日までが冬期休暇だ。

 冬休み。そうだ、冬休みのことを何も考えていなかった。

 目先のクリスマスのことばかりに気を取られて、その1週間後の……また同じ繰り返しなのだろうか。


 また同じようにいつ帰ってくる、いつ会えるとヤキモキするのだろうか。

 もう、そういうの嫌だな。

 でもこれが遠距離恋愛。


 そう、遠距離恋愛にもやもやはつきもの。

 みんなそうなんだろうか。

 遠距離恋愛中の人たちはみんなそうなの?

 いろんなことが頭をぎるけど、周りには遠距離恋愛中の人はいないから尋ねることもできない。


 龍也たつやくんの転勤から3ヶ月。

 遠距離恋愛は始まったばかり。

 これからも先はまだまだ長い。

 今までのあと何倍の年月と、もやもやを繰り返すのだろう。

 そんなことを考えだすときりがない。


 仕事の都合だって、急に変わることもある。私がもっとでんと構えていなければ。

 まだ解らない先のことで、あれこれと思い悩むのはやめにしよう。


 クリスマスまであと少し。

 今はまだ楽しい気分を味わっていよう。



お読み下さりありがとうございました。


次話「大忙し」もよろしくお願いします!

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