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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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それから 

 あの日、青いラインの入ったN700系のぞみを、ホームで泣く泣く見送ってから、はや4日。

 あいも変わらず、またいつもと同じ日常をやり過ごす。


 毎日同じ時間に起きて身支度を整える。

 『おはよう』と龍也たつやくんにメールを入れてから家を出て、満員電車にゆらりゆられて。

 会社に着いてロッカールームで女子トークをし、オフィスに向かう。


 8時45分になると、スピーカーから流れる音楽に合わせてラジオ体操。

 その後朝礼が始まり、課長の挨拶の後、係長から連絡事項等々の話がある。

 それから、毎日担当が日替わりの順番制で、1分間スピーチなるものがあるのだ。

 今日は私の番。昨日いろいろ考えて文章にし、1分で話せるように話す速度、間合いなどを時計で時間をはかりながら練習した。大丈夫。いよいよ本番だ。


 名前を呼ばれ前に出る。


「おはようございます」


『おはようございます』


 まず朝の挨拶をし、昨日考えたことを話す。もちろんメモなどは一切見ない。


 今まで私が人と接してきて思うこと、感じたことなどをみんなの顔を見ながら、ゆっくりと大きな声で話した。こういうスピーチの時は、ちょっとしたユーモアも必要だ。爆笑はいらない。クスッと笑えるさりげないセンスがものを言う。


 スピーチの後、締めのセリフとともに朝礼は終了。それぞれ自分の席にもどり、9時の始業のベルを合図に仕事が始まる。


 いつも通り仕事をし、いつも通り昼食を摂り、いつも通り龍也くんにハガキを書いて、残りのお昼休憩はワイワイとおしゃべり。

 13時から午後の仕事が始まる。人の出入りが頻繁で、だだっ広い空間にひしめき合うデスク。黙々と仕事をこなしている社員。慌ただしく行き来する人々。


 17時の終業のベルにて本日の仕事は終了。

 でも、就業時間が終わったからといってすぐに帰れるわけでもない。

 後片付けをして早々に退社する人もいれば、残業に突入する人もいる。


 今日は金曜日。定時退社日。いわゆる『ノー残業デー』だ。

 といっても正確には『定時退社推奨日』くらいに受け止めておいて丁度だと思う。


 あーあ、龍也くんには今度は一体いつ逢えるのだろう。

 クリスマスには会えるかな。

 それまで仕事に打ち込むとしようか。


 でも、今日は帰りに浩ちゃんと待ち合わせをしているから、私はとっとと帰るけど。


 浩ちゃんと待ち合わせか。

 龍也くんの後輩でもあるし、公認でもあるから、友人として浩ちゃんとはよく話をする。

 ふたりで出かけたりすることもある。でもあくまでも友人として。

 ふたりで歩いていると、周りからはカップルのように見られているかもしれないが、私にはそんな気は全くない。あくまでも、仲のよい友人。頼りになる友人。


 18時に駅前で待ち合わせをしている。

 なにか相談事があるらしいけど。



お読み下さりありがとうございました。


今話より『第7章 秋から冬へ』に入りました。

次話「友人の悩み事」もよろしくお願いします。

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