夏の終わりに(1)
夏期休暇も終わり、また平常な日々がはじまり慌ただしく過ごす毎日。
流石に休み明けの月曜日は疲れもでたが、すぐにまたいつもの日常を取り戻した。
時間の感覚といういうものは曖昧なもので、慌ただしい毎日を送っていても、のんびりと過ごしていても、楽しく日々を過ごしていても、切ない日々を送っていても同じように時計は進む。
ただ、その時の心理状態で時間の進み方に差があるように感じるのだ。
夏休み明けの1週間はあっという間に通り過ぎて。
1週間後。
まだ1週間ある。
もう1週間しかない。
どう感じるかは私たち次第ということか。
9月から龍也くんは新しい土地で新しい生活を始める。
引っ越しは9月1日。土曜日に引っ越して、日曜日は片付けと月曜日からの仕事の準備。
1日、新幹線のホームまで見送りに行く予定だが、私は笑顔で見送りたい。
きっと彼もそうするだろう。
そして前日の8月31日、そう8月最後の日、夕食をともにする約束をしている。
「なにが食べたい?」彼はそう聞くけれど、そんなのなんだっていい。どうせ味わってなんかいられないのだから。
ただ一緒にいられるだけでいい。
楽しくおしゃべりして、笑い合って。たまに手を繋いでみたりして。
そんな簡単なことだけでいい。
今週はお互いに忙しくそれまで会うことができない。
その間はメールか電話というところか。
私はメールはあまり好きじゃない。
一方的だし一方通行だし。
相手の反応がすぐには解らない。待っている間、ずっともやもやするだけ。
でも、時間に関係なくいつでも確認できるというメリットもある。
ただそれだけ。
その点、電話はいい。話は早いし一方通行じゃない。
それになにより声が聞ける。それは大きなメリット。
でも声だけ。
実際に会うのが一番いいに決まってる。
でも会えない。それは大きな問題。
やはり相手の表情を感じたい。
瞳の動き、心の動きを感じたい。
彼の温もり、温かい心を感じていたい。
そしてそっと抱きしめてほしい。
迫り来る“その時”を前に、そう思うのは私のワガママなのだろうか。
お読み下さりありがとうございました。
次話「夏の終わりに(2)」もよろしくお願いします!




