会えない1週間(2)
なんだか今日は疲れたな、なんて思いながら重い足取りで本社前のバス停に向かう。
「あれ? 海彩ちゃん、今帰り?」
不意に声をかけられ振り向けばそこにイケメン。
「あ、浩ちゃんも? お疲れ。研修どう?」
「ああ、もうクタクタだよ。若いんだから頑張れ! とか言われちゃって、人使い荒いんだよな」
「ふふ、お疲れさま」
ホントに疲れているみたい。新入社員は大変だな、なんて話しているとグルルルと、浩ちゃんのお腹の虫が鳴きだした。
「もう、めっちゃお腹すいたー」
「そりゃそうでしょう。よく頑張ったんだね」
「どっかで何か食べて帰ろうよ」
「え、でも」
そう言われても困ってしまうな。一応私には彼がいることだし。まあ、彼の職場の後輩でよくみんなと一緒に出かけたりして気心は知れているとはいえ、どうしようか。
「もう、倒れそうにペコペコ。助けると思ってお願いします!」
「そんなの1人でも行けるじゃん」
「うっ。俺、おひとり様できないんだよな」
へ?
そんな可愛いこと言っちゃって、吸い込まれそうな瞳で見つめられたら……なんて。
「仕方ないなぁ。じゃあ、お姉さんが一緒に行ってあげますか。龍也くんにも報告しなきゃ」
「あ、そうだね。先輩の彼女なんだからちゃんと許可とらなきゃな」
そう言って浩ちゃんはスマホを取り出して、電話をかけている。途中、私もスマホを渡され龍也くんと久々に(といっても3日ぶりだけど)、話をした。彼は特別気にとめる様子もなく、意外にあっさりしていた。「楽しんでこいよ」とか、「和田が誘ったんだから、奢ってもらえよ」とか。
それだけ信頼しているということなのだろうか。
龍也くんにも報告したことだし、美味しいものを食べに行こうと駅前に向かうバスに乗った。
お読み下さりありがとうございます。
今話は少し短めでしたが、キリがよかったので。
次話もよろしくお願いします!




