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六角の最盛期を越えていけ!六角義治転生〜三好や織田相手に生き残れ!〜  作者: ヒバリ


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96 将軍 足利義輝3

96 将軍足利義輝3


「なんと!お主はそこまで気にしてくれるのか!ほんに、ほんに嬉しゅう思うぞ…!」


 あーあ、義輝はついに感極まったのか泣いてしまった。周りの幕臣共もそれを見てもらい泣きをしている。きっしょ。


 義輝の涙は、感情の奔流そのもの。だが、俺にとっては計算通り。人は感動すれば、心の扉を開く。そこに俺は次の提案を滑り込ませる。


 「いえ、しかし直接軍を送るとなると外聞も悪く思われまするし、我々が親しくしている商人を通じて送ろうと思うのですが、その際に護衛として隊の規模に応じた兵を付けることをお許し頂ける様に若狭殿にも頼んで頂けませぬか?」


 商人の名目で兵を動かす――それは軍事行動を外交の衣で包む策。若狭への支援は、六角の影響力を広げる布石でもある。俺は戦を始める前に、盤面を整えている。


  「うむ!勿論だ!なんとかして見せようではないか!お主は、六角は何か欲しいものは本当にないのか?この力のない余ではできることも少ないかもしれないが、何かさせてはくれまいか?」


 義輝が頼み込む様に言ってくる。これを断れば悪い雰囲気になりそうだな…さて、どうするか。将軍の気持ちを無下にすれば、場の空気が冷える。だが、欲深く映るのも避けたい。治頼は一瞬で計算を終え、最も穏当で実利のある願いを選び取った。


 「…では、若狭殿に支援する際に送る隊への税を免除して頂きたいのと小浜の方で商売をする許しを頂きたいのですが…。」


 この願いは、若狭への影響力を合法的に広げる布石。商人の往来を通じて情報を集め、物資を流し、必要とあらば兵を動かす口実にもなる。


 「そんなことで良いのか?分かった。必ず伝えておくとしよう。お主は茶器や絵に興味はあったかのう?」


 「いえ、お恥ずかしい事ですが、そう言ったものよりも以前頂きました大典太光世のような名刀などの方が心が震えまする。」


 治頼にとって、茶器や絵は政略の道具でしかない。だが、刀は違う。武家としての魂を揺さぶるもの。義輝の問いに、治頼は迷いなく言えた。


 「そうか!そうか!やはりお主も武家よのう!そうでなくては!あの刀はどうだ?」


 「はっ!私の私室に飾らせて頂いておりまする。あれを見つめているだけで幸せにございまするな。」


 これは本心だ。旧刀と呼ばれるこれら名刀を目の前で手に持ってみれるのは感動だ。名刀を手にすることは、武家としての誇りを形にすること。治頼はその重みを知っている。義輝との絆も、刀を通じて深まっていく。

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