89 1556年末報告4
89 1556年末報告4
「次に伊勢に関してだが、こちらは主要街道の整備と検地が終わったくらいでまだまだ未開発の土地が多い。これから…と言う所だな。」
山間部には鉱山の可能性もあり、今後の調査次第では新たな収益源となる。海と山の両方を活かす戦略が求められる。
「ざっと20万石だ。そこに伊勢の特産品である海の幸が上乗せされたり安濃津に代表されるような湊からの収益がある。伊勢に関しては整備さえ進めば北部で30万石は見れるだろう。」
特に安濃津湊は南蛮交易の拠点としても期待されている。港湾整備が進めば、伊勢は六角の外貨獲得の柱となる。
「最後にそれぞれ軍に関してだが、俺の直轄兵は足軽鉄砲隊8000、黒鍬衆5000、運輸兵3000だ。これをそれぞれ精鋭兵として各国に配備する。他の国からの援軍が来るまでの対策だな。」
精鋭部隊は迅速な展開を前提に編成。鉄砲隊は新式の火縄銃を装備し、黒鍬衆は築城と破壊工作の両面で活躍する。
「伊賀に銭兵3000 農兵4000
伊勢はまだ落ち着いていないため徴兵していないが予定では銭兵4000農兵6000の予定だ。」
徴兵は地元の負担を考慮し、段階的に進める方針。兵の質と地域の安定を両立させるため、慎重な運用が求められる。
「近江のように常備兵や農兵はできるだけ取っていない。と言うのも伊賀に関しては忍びの里として使う予定のためできるだけ担い手を兵として使い潰したくないことがある。以上だ。」
忍びは情報戦と奇襲の要。彼らの命は兵以上に重く、無闇な徴兵は六角の戦略を損なう。伊賀は育てる地であり、消耗の地ではない。
「うむ。伊賀に関しては攻められる箇所も少ないため近江と伊勢の兵で補えば良いだろうと言うことだな。」
伊賀の地形と防御力を活かし、兵力の分散と集中を柔軟に行う。六角の軍政は、地理と人材を活かすことで盤石となる。
「次は近江についてだな。近江全体として見れば開発自体はほぼほぼ終わっている。今はいらない山城や砦を廃棄し、その資材を使って平野に城を築を築いたり防衛として重要な箇所の強化に当てている。特に平野部分に関しては城下町の発展がしやすいこともあり経済力も高まっている。」
城下町には商人や職人が集まり、定期市も開かれるようになった。軍事拠点から経済拠点への転換が、近江の地力を底上げしている。
「石高としては80万石程だ。
兵に関しては治頼から借りている兵を除いて、銭兵2万、農兵が1万程だが、農兵に関しては直接的な戦への投入は極力避ける方針だ。
例えば先陣から本陣までは銭兵、戦に投入せず後詰めや端の戦線に農兵を配置し相手への圧力とするのはいい策だと思う。」
農兵は訓練済みとはいえ、家族や村を背負う者が多い。無理な投入は士気低下を招く。圧力としての配置は、心理戦としても有効だ。




