83海へ
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天文25年1556年 5月 六角治頼
「はっ、我々は仏教を信仰しているものが多いです。今は特にどの宗派が多いとかはありませぬが潜り込む際に宗派を偽るなどは造作もない事にございまする。」
「なるほど、少しずつで良い、バレないように地図を作れるか?それとこれは本当に無理をせずで頼みたいが防衛装備に関する情報や細工も頼みたい。」
半蔵がじっと考え込む様子を見せる。
「はっ、伝えまするがかなり難しいと言わざる終えませぬ。もし見つかれば再度同じ地位まで付ける影が入れるかは分かりませぬ。」
「分かっておる。なのでできれば少しずつで良い。」
「分かりました。地図の方は問題なく作成できると思いまする。」
「頼むぞ。」
半蔵が退出するのを見届けながら政務に戻る。そういえば、加賀と朝倉が争い合っている結果、義輝は本願寺との関わりを持つことは無くなった。その結果本願寺にいる顕如はいまだに眉を顰めイライラしているらしい。そちらにはまだ手を入れられずほぼ噂でしかないのだが、噂レベルでこの話が来るということは相当だろう。
「若様、壱岐守様から文が参りました。こちらになりまする。」
「分かった。もってこい。」
文を開き読むと、北伊勢の主要街道整備の基礎がなんとか終わりそうなこと、田畑の検地は終わって来年の収穫後に田畑を整えることで今年の収穫を維持したまま来年度の田植えまでに農地改革を済ませられそうなことが書いてあった。また、同封されていた蒲生賢秀の文には各地に建てた学校から少しずつだが有望な若者が見つかり始めていること、兵の訓練も順調に進んでいることが書いてあった。
「報告書だな。ありがとう。」
「それと、滝川一益様から推薦する者がいると文が来ております。」
「ん?一益の伝手ならば召し抱える一手だが誰だろうか。」
文の中を見てみると九鬼嘉隆を推薦すると書いてあった。北畠の傷付かず残った戦力で南伊勢、志摩の方へと北畠は軍を進めた。その影響で九鬼嘉隆のゲットも早まったのかな?これは勿論召し抱える一手だな。
「よし、一益に返事を書く。すぐに影を使って伝令を走らせてくれ。」
「はっ!」
これで本格的に海賊衆を編成できるな。漁師を農民に置き換えて漁師兵と専属の兵で分けるべきだな。普段は海路の警備とかどうだろうか?六角領内では護衛船が付くとなれば船を使う商人は喜んでくるのではないだろうか?うんうん。九鬼嘉隆に相談してみよう。




