79伊勢での生活2
79伊勢での生活2
天文24年1555年 12月 六角治頼
今年も朝廷へと献上する季節がやって来た。いつものように米と椎茸、清酒や布を贈る予定だ。それに加えて伊勢の特産品である海産物も加えた。それを確認した後、今日は年末ということもあり家臣である後藤壱岐守、服部半蔵、滝川一益、藤堂虎高、明智光秀、青地茂綱、蒲生賢秀などを呼び寄せ、城内の一部屋で宴会を設けていた。
「俺、六角治頼は皆の働きに感謝している。お前達にはこれからも期待している!今日は無礼講だ!飲んで食べて今年の疲れを癒すのだ!乾杯!」
わざわざ観音寺ではなく安濃津城でやるのは、新鮮な海産物を食べられるというだけでなく自分の臣下達と気兼ねなく交流を深めやすいというのもある。北伊勢半国と伊賀一国を仮にも治めている。達成感もある。この年から宴会を始めようと思い立ったのだ。
俺は席を立つと皆の前に行き酒を注ぐ。そして会話をして皆と気持ちを分ちあう。
「持豊、お前とは一番付き合いが長いな。これからも沢山のことを無茶振りして頼ることになるがよろしく頼むぞ。」
「はっ!これからも若様のご期待に応え続けまする!」
持豊は注いだ酒をあけると満面の笑みを浮かべながら目をうるうるさせている。
「半蔵、お前達には表にはならないところで俺の全てを支えてもらっている。誰にわからずとも俺がお前達の力、一番理解し続ける為に努力を続ける。これからも支えてくれ。」
「はっ!必ずや我々が若様を盛り立てまする!」
半蔵にも酒を注いで共に飲み交わす。
「虎高!年下の俺に仕えることになって不満があったかも知れぬがよくついて来てくれた。ありがとう。これからも若い者達を指導してやってくれ。」
「はっ!若様に仕えること、何も不満はありませぬ!これからもお引き回しのほどよろしくお願いしまする!」
虎高は豪快に杯をあけてガハハと俺にも酒を注いでくる。それに応えて一息で開ける。
「一益、お前には上としたを繋ぐ役目を頼みながら半蔵などとの連携も頼んでおり、忙しいだろう。頼むぞ。」
「はっ!毎日様々なことを学ばせて頂いておりまする!なんでも申し付け下さいませ!」
一益は嬉しそうに飲み干しお代わりを要求して来たのでなみなみに注いで更に飲ませてやった。
「光秀、若いのによく働いてくれているな。お前には特に内政で助けられている。しかし、将来的には軍師としても活躍してもらうつもりだからな。軍の方の鍛錬も忘れない様にしてくれ!」
「はっ!むしろ、この様に若い私を育てながら使ってくださり感謝しております!」
光秀はまだ若いので酒の代わりに果実水を入れてやる。




