54 比叡山討伐3
54比叡山攻略3
俺は藤孝との会談を終えると父と祖父の前に顔を出していた。
「御屋形様、今回公方様より悪逆を尽くす僧兵を討つ命令を承りました。この命令を拡大解釈すれば比叡山を討っても良いということにございまする。太刀とこの命令に従って比叡山へと侵攻いたしましょう。」
俺は父に持ってきていた太刀を献上するように渡す。
「…わかった。覚悟はできていたことだ。出陣の準備をせよ!比叡山を討つ!」
父の号令に合わせて観音寺が慌ただしくなる。警邏に出ている者たちはそのままに待機させていた銭兵達を大津に集合させる。
布陣として、留守を預かるのは六角定頼。攻め手は六角勢力として蒲生定秀や平井定武など有名どころが総揃いだ。俺の手持ちの兵は前回任せた四人に合わせて、鯰江にいた藤堂虎高や甲賀から出て来ていた滝川一益を呼び出した。今回の武功を上げさせて彼らも俺の直臣にする予定だ。
今回も俺は配下達に任せて観音寺に詰めることになる。伊賀と甲賀のもの達を使って比叡山を焼いた後の動揺を抑えたり暴れ出した僧兵を刈り取るための部隊だ。あまりにも多い場合は農兵達を使い祖父が抑えにかかる。また、同時に今回の行動について正統性があるのはこちらだと関係各所に手紙を送った。
基本的に山狩となる。縁故のもの達を残して復讐に燃えられてもこまるから皆殺しだ。女子供も殺す。物事がはっきりとしない子供や幼児は引き取り伊賀の里で学校に入れる。また、寺自体は燃やさず、僧達が住む場所などを燃やし、宝物に関してはできる限り保護をする。
観音寺からも良くわかるくらい一晩を通して比叡山は燃え盛っていた。この火は近江だけでなく京からも見えていたようで周辺の人々が釘付けになっていたようだ。
「ただ今戻ったぞ。」
父が戻って来たのは丸1日たった後だった。比叡山の要所を一晩かけて焼いた後に生き残りがいないか麓から一斉に探したようだ。
その間残った兵を使って竪田を筆頭に宗門の影響下にある町などに改めて六角への忠誠を誓わせた。
この影響は方々に与えたようで数日経った後、一向宗に悩まされている上杉や朝倉、大和にいる松永からよくやってくれたと絶賛のラブメールをいただいたが、今川や武田、毛利からは全く連絡なしだ。朝廷からは民を頼むとただ一言それだけを頂いた。
それと同時に父と共に義輝から呼び出しを受けた為できる限り準備をして、義輝がいる朽木へと向かった。




