46壱岐守の試練
46 壱岐守の試練
天文20年1551年 9月 後藤壱岐守
現在亀松丸様から託された兵3000を率いて出陣している。初めての本格的な戦に出陣すると言うことで経験豊富な将である蒲生定秀殿などが目付けとして着いてきてくれているが基本的な軍の運用は軍学校から連れてきた若者を私が指揮する形だと厳命されている。
私の任務は国友を中心に姉川を前線として六角の支配を確立すること。必ずしも浅井との戦が起こるとは思えないが油断はできない。もう少しで六角の支配地域を抜けるという所で一度休憩と軍議を挟むことになった。私を上座に左右に目付が座る。その次に新人の将が座る。確か、一番若いものが明智十兵衛光秀と言って知略に優れているとの事で、残りの二人が蒲生殿の子息兄弟である蒲生賢秀殿と青地茂綱殿だ。
「では軍議を開く。我々の目的は坂田郡の完全支配にある。そのために国友を抑え姉川沿いに砦と柵を築く。何か相違はあるか?」
将達が頷くのを確認すると各々が頷きこちらを見ていた。
「よし、では進める。基本的に無闇矢鱈な戦闘は避ける。こちらの兵は基本的に鉄砲を装備している事から一方的な戦いが可能だと思われる。弓矢だけに気をつけ半分は盾を装備させる。弓矢の攻撃を防ぎながら敵を追い返すのだ。何か意見はあるか?」
明智十兵衛が手を挙げる。
「なんだ?」
「はっ、砦は国友村と姉川の間に築くとの事でしたが上坂氏と姉川の切れ目に先に築くべきではないでしょうか?あちらは地続きのため兵が侵入しやすい箇所となっております。」
「国友が最重要拠点なのだ。まずはここからではないか?」
「いえ、姉川を挟んでいる以上砦があろうがなかろうが先程おっしゃっていた通り盾と鉄砲による攻撃で撃退できるでしょう。となれば、残りで警戒すべき点は浅見氏の方面にある水上からの攻め手と地続きの上坂氏の方面にございまする。水際からの攻め手は船から降りるところや水上の敵に向かって鉄砲を撃つだけでもかなり効果的な防衛が可能にございます。となれば今一番警戒すべきは騎兵などの遊撃兵力による攻撃だと思われます。」
目付のもの達に目を向けると特に反対することなくじっとしている。間違ってはなさそうだ。それに俺も納得している。よし、採用するか。
「わかった。明智の意見を用いてまずは上坂氏方面に出兵しよう。兵を500付ける。上手く用いよ。それと賢秀殿と茂綱殿にも500ずつ預けるそれぞれ国友と今浜を警戒するのだ。それぞれ何かあれば直ぐに伝令を送れ。残った兵を率いて救援へと向かう。」
「「「はっ!」」」




