149若狭後始末2
149若狭後始末2
永禄1年1558年 6月 六角治頼
治頼は、信豊からの要請を受けて若狭へ出兵した経緯を丁寧に説明した。公方の許可を得て動いたことを強調することで、六角の行動が正当なものであることを印象づける。義輝の顔色が変わり始め、幕臣たちのざわめきが大きくなる。治頼は、核心に触れる準備を整えていた。
義輝達が少しざわつき始める。
「ほう、何が起きたと言うのだ。まさか!義統に何が起きたのか!?」
「はっ!そのまさかにございまする。若狭の佞臣である逸見が三好の手を借り、義統殿を暗殺したのです!」
治頼の言葉に、義輝は激しく反応した。逸見が三好と通じて義統を暗殺したという報告は、幕府にとって衝撃的な事実だった。義輝は立ち上がり、怒りを露わにする。治頼は、あえて義輝の怒りを引き出すことで、三好への敵意を強めさせ、六角の立場を有利にする構図を描いていた。
「なんじゃと!!!!何故其方がおりながらそのような事になった!」
義輝がガタッと立ち上がりこちらを睨みつける。
「申し訳ございませぬ!私が義統殿に面会をしようと思い、若狭武田四天王の武藤殿にご協力頂き後瀬山城へと向かった時には既にもう…!」
治頼は、義統の死に間に合わなかったことを悔いる姿勢を見せながらも、責任を回避する言葉選びをしていた。武藤の協力を得て後瀬山城へ向かったが、すでに事は起きていたと語ることで、六角が事前に関与していないことを強調する。義輝の怒りは三好へと向かい、六角への疑念は薄れていく。
「またっ!また三好かぁ!あの腐れ外道どもが!!!!」
義輝は脇息を蹴り飛ばし、怒りを爆発させた。幕臣たちは慌てて制止に入り、謁見の間は一時騒然となる。治頼は、静かに頭を下げたまま、義輝の怒りが収まるのを待った。三好への敵意が高まるほど、六角の立場は強化される。治頼は、感情の流れを読みながら、次の一手を準備していた。
「それで!お前は何故ここにいる!何をしてきたのだ!」
義輝の怒りが少し収まり、視線が治頼に戻る。だが、その目はまだ鋭く、問い詰めるような圧力があった。治頼は、ここからが本題だと理解し、孫犬丸の保護と逸見討伐の経緯を語り始める。六角が忠義に応え、秩序を守ったという物語を、丁寧に紡いでいく。
「はっ、話には続きがございまする。配下のもの達の調べで敵の忍びから下手人が逸見、その裏にいるのが三好と発覚したため、武藤殿が義統殿の遺児である孫犬丸殿の立場をよくするためにも、義統殿の無念を晴らすためにも逸見を討ち取ると決め、六角に支援と孫犬丸殿の保護を求めてきたためそれに応えました。」




