102 明確な予定2
102明確な予定2
「話を続けるぞ。第一軍、第二軍共に動き始めるのは若狭武田に介入できるようになってからだ。それまでは動きを悟られないようにしろ。」
若狭武田の内乱が表面化するまで、兵の動きは水面下で進める。治頼は、戦の前に情報と準備で勝ち筋を整える主義だ。
「「ははっ!」」
「今伝えたいことはこれくらいだな。何か質問はあるか?」
「はっ、では、この戦に関しては御屋形様からお許しを頂いていますので?」
「…新年の挨拶に行く際に話す予定だ。」
「分かりました。この前の様な独断専行をしても許される立場ではない事を努努お忘れなき様に…」
家中の秩序を守るためには、父義賢との連携が不可欠。治頼は独断専行の危うさを理解しており、今回は慎重に根回しを進めている。
「分かっておるわ…。父上に怒られるのはあれっきりにしたいものだ。内部で弟との対立を煽られても面倒ゆえな。お主達もそれぞれの考えがあるだろうから俺のために働くならば大きめの裁量は与える。自分の責任を持てる範囲で好きに動いてくれ。」
弟との軋轢は、家中の分裂を招きかねない。治頼は家臣に裁量を与えることで、忠誠と責任を両立させ、家中の結束を保とうとしている。
「ははっ!」
治頼配下達は自分たちができる範囲で来たる時がくるまで調略や調練など自分たちにできることに精を出して行った。
調略は伊賀、調練は甲賀を中心に進められ、各地の村落では密かに兵の再編が始まっていた。治頼の軍は、表には出ずとも着実に動いている。
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話は変わるが、具房に文を出し始めたころ竹中半兵衛と今川義元氏真親子、武田信玄、北条氏康氏政親子にも文を出している。竹中半兵衛に関してはスカウトだな。今川親子に関しては信長に負けた際にこっちへ逃げてくれたら人材も来るかもという淡い希望、北条と武田に関しては船を用意できた後の交易のためだ。
今川が敗れた際、氏真が逃げ込めば、駿河の人材と文化が六角に流れ込む。治頼は敗者の受け皿となることで、力を蓄える策を描いている。
最近になって出し始めたのは朝倉と若狭武田に、尼子と毛利。若狭武田は言わずもがな兵糧などの支援のためと煽るため。朝倉は貸した米に関する利息の支払いや元手の返済のためだ。朝倉は利息の膨れ上がり方に驚いた様で頑張って領内から米を集めたり俺たちから買ったりして少しでも元手を減らそうと努力している。




