表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れた日には、恋をする  作者: 月舟 蒼
第三章 夏合宿
67/69

5-6

 ひとまず解散ということになり、終電で帰る組、泊まっていく組に分かれた。

 直陽、あまね、瞬、琴葉は帰ることになった。

 駅まで歩く道すがら、さっきの続きの流れで、自然と直陽は瞬と並んで歩いていた。

「あれ?泊まらなくて良かったの?青柳さんと話す機会、あんまりなかったんじゃ⋯」

「ああ、それですか⋯」

 瞬は少し話しにくそうな顔をした。

「何かあった?」

「まあ、そんなとこです」

 直陽は今日のクリパの時の情景を思い返してみた。何となく想像はついた。

「今は、男を磨く時期だと思うんです。今日いいお話がたくさん聞けたので、すごく心強いです。『好きなことを好きと言えること』『みんなを笑顔にすること』『人の気持ちを考えること』」

「そして」直陽が付け加える。「『誠実であること』だよな」

 瞬はふふっと軽く笑い、

「ありがとうございます」

 と言った。前向きのようでもありながら、その横顔にはどこか哀愁が漂っていた。



 駅に着くと、電車の向きが逆だったので、直陽とあまねは、瞬、琴葉と別れた。

 直陽とあまねは並んで歩いた。初め二人に言葉はなかったが、何の違和感もなかった。二人そこにいることが自然だった。

「今日はあんまり話さなかったね」あまねが呟く。言葉は弱々しいが、しかし特別寂しそうな空気をまとっているわけではなかった。

「確かに。でも――」そう言って直陽はあまねをちらっと見た。「こうしてあまねさんと話してると、また戻ってきた感がある。不思議な感覚なんだ」

「うん、分かる気がする」そう言ってあまねも直陽を見ながらそっと微笑んだ。

**次回予告(5-7)**


あまねは直陽に「年越し、どうする?」と訊く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ