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晴れた日には、恋をする  作者: 月舟 蒼
第三章 夏合宿
46/69

3-21

 莉奈と靖太郎は、いつになく真面目な顔つきで話し込んでいるので、どこか近付きがたい。

 そこから少し離れたスペースの壁に暁人が寄りかかり、琴葉が一緒に座っている。その向かいに涼介が身振り手振りを加えながら何かを話している。

 涼介が、

「だーかーらー、結局楽しんだもの勝ちなわけよ。どんな世界にいても、とにかくノリって大事じゃん?」

 と言うと、

「⋯チャラ男め」

 と琴葉が毒づく。

 それを見ながら暁人が無言でビールをちびちび飲んでいる。不思議な構図だ。

 少し離れたところから数枚撮る。

 ファインダーから目を離したとき、左の視界の片隅に瞬と楓菜が見えた。

 瞬は楓菜の近くで話し続けていて、楓菜も時々返事をする。確かに前よりも楓菜は会話をしている感があって、瞬の努力は無駄ではないことがよく分かった。

 ただ気になったのは、楓菜の目線だ。会話の合間に、チラッチラッと何かを気にしているように見える。

 あの方向は⋯⋯涼介。あちらのグループに加わりたいのだろうか。


 再び元の席に戻り、今日の写真を見返す。和楽器部の真剣な眼差し、部長・副部長の笑顔、涼介の力説。どれも絵になってるなと思う。

 何年もたった後、振り返っては、青春だったなと思うのだろうか。おじさんになった後、そんなこともあったなと仕事帰りの疲れた顔で、この写真を見返す時が来るのだろうか。

 そんな思いに浸っていた時、スマホに通知が来た。

 あまねからのLINEだった。

「時間が空いた時、返事ちょうだい!」


**次回予告(3-22)**


ロビーに直陽を呼び出したあまねは、直陽にある提案をする。

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