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晴れた日には、恋をする  作者: 月舟 蒼
第三章 夏合宿
36/69

3-11

 午後の活動が始まった。一度会議室に集まり、簡単な確認をしてから散っていく。基本的に夕飯まで自由。何かあればグループLINEで連絡することになっていた。

 手元の研修所の地図のコピーに、どこで何の練習をしてるか手書きで書き込んである。それを見ながら、まずは琴の練習部屋の一つをノックすると、「どうぞ」と声があった。

 中に入ると、ショートヘアで少し活発な雰囲気の女子が、こちらを見ている。

「基本的に私たちは練習に専念するので、写真部の方たちは私たちに話しかけないでください。ノックも要りません。空気のように振る舞ってくれれば。そのことを周知しておいてください」

 歯に衣着せぬ物言いに、一瞬たじろぐ。ただ、見方を変えれば気を遣うなという意味にも取れる。

「はい、分かりました」

 直陽がそう言うと、その部員は再び練習に戻った。

 今言われたことをグループLINEに載せる。どうやら皆同じようなことを言われているようだ。

 その先輩然とした女子部員の向かい側には後輩の男子がいる。まだ入部したてという雰囲気がある。

 昔中学校のころ、学校の授業で琴を習ったことはある。しかしせいぜい「さくら」くらいしか弾けない。目の前の部員が練習しているのはもっと難しい曲だ。

 後ろから覗いてみると、楽譜が見える。ああ、昔習ったものと同じだと気付き、少し懐かしい気持ちになった。

 先輩と後輩のこうしたやりとりもまた、写真として絵になる。何枚か撮って、次の部屋へ移動した。


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