裏事情
職員室へ向かう廊下で由宇と晶の【次元と時空を超えた会話】が繰り広げられる。
「栗戸さん。良かったですね。毎日連載が続いて」
「晶。違うのだ。よく見ると年が1年経っているのだ……」
「本当です!」
「その上予約更新だぞ。明らかに尋常な俺達の世界の作られ方ではない」
「一体何が起きたのですか?」
「計画的な打ち切りだ。俺達の世界は再び閉じる。最後は予定された10話なんだよ」
「残念です」
「俺もだ。だが今回も世界を閉じる為、本命作品より優先して俺達の世界が作られている!」
「前回の時もそうでしたね。災害で連載が終わる事も……」
「あぁ。俺達の世界を閉じる為に今月の本命作品を2つに分割して時間を作った」
「それで今月は短かったのですね。せっかく本命作品1000ポイント越えしたのに」
「百万文字書いて1000ポイントへ届かなかったら『やめようか』と思った事もあるようだ」
「本編を毎日連載した2月は終わってみたら始まる前と比べて増えたポイントが【2】でした」
「あれは流石に心が折れそうだったみたいだぞ。その後にじわじわ増えて良かったけどな」
「3ヶ月で300ポイント以上ですから。まんねん童子も結局は書くしかないと学びましたね」
「落雷でパソコン動かなくなってもな。晶は知っているか?【XP】はネットに繋がらないと」
「僕はパソコン持っていないし初めて知りました。僕達の世界も今は予約投稿ですよ」
「毎日気楽に投稿出来ない。それが俺達の世界を閉じる最大の理由だ」
思い返せば、前回は台風被害、今回は落雷被害が作品終了のきっかけである。
「まんねん童子も今は1日で約1000文字しか打てないし、半年前から6月17日を狙った」
「僕達の連載終了の為……毎日約4000文字の作品を連載していた事が嘘のようですね……」
「万全の体制で臨める事なんて有り得ないからな。人生は与えられた戦力で如何に戦うかだよ」
「栗戸さん。濡れた体を放置して熱でも出しましたか?」
「そうかもな。おまえを濡らしてやるから俺を温めてくれ!」
由宇は指10本を気持ち悪くウネウネと動かし『これから襲うからね』とアピールポーズ。
ノリノリの晶が両腕で自分を抱き締めながらわざとらしく「キャー」と小さく悲鳴をあげる。
由宇にとっては【あざとらしい】と言う新語が出来ても良いと思うほどの威力だった。
もう存在しているかも知れないがネットで調べるほど気力はない。
「晶。悪い。作戦は一時中断だ」
「どうかしましたか……って鼻血が出ているじゃないですか!? 大丈夫ですか?」
「……お前が悪い……」
「えぇーー! なぜですか? 納得できません」
2人は進軍先を転進して保健室へと向かう。




