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エピローグ

 晴れた春の日差しを受けて、フローラは空を見ていた。


 すると、彼女の耳にノックの音が聞こえる。


「どうぞ」


 ゆっくり入室してきたのは、逞しい体つきに洋服には公爵紋章を輝かせた彼。

 そんな姿を見てフローラは嬉しそうに笑みを浮かべた。


「すっかり似合っていますね」


 そんな誉め言葉を嬉しそうに、そして誇らしそうにした彼は、フローラの前で恭しく頭を下げた。


「王妃殿下もお元気そうでなによりです」

「やめてよ、王妃殿下なんて仰々しい」

「そうですか。では、遠慮なく……」


 さっと襟を正しつつも、あの頃のような無邪気な笑顔を浮かべて告げる。


「フローラお母様」

「大きく立派になったわね、ルイト様」


 彼はフローラに近づくと、茶目っ気のある顔で言う。


「お母様、国王陛下に飽きたら、いつでも私のところに来てくださいね」

「おいっ! フローラは僕の妻だ」


 ルイトの口説き文句に異を唱えたのは、たった今部屋に入ってきたヴィルである。

 フローラを挟んで両者は激しく睨み合ってしまう。


(もう、この二人は……)


 ため息をついた後、彼女はヴィルとルイトを止めに入る。


「ルイト様! もうあなたは立派な大人なのですから、私に甘えずにしっかりなさい」

「申し訳ございません、お母様……」


 育ての母に注意されて、ルイトはしゅんと落ち込んでしまう。

 そんな彼にヴィルは野次を飛ばす。


「ほら見ろ、フローラが怒ってるぞ」


 得意げな素振りでルイトにマウントを取るが、フローラが今度はそんなヴィルに制裁を下す。


「陛下もです! 大人げない! それに陛下のほうが甘えすぎです。そろそろご自身一人で遠征に行けるようになってくださいませ!」

「は、はい。すみません……」


 フローラは腰に手を当てながら、ヴィルを叱った。


「でもまあ……」


 そう口にして少し考えた後、にっこりと笑う。


「あなた方は、自慢の夫と息子です!」



 そう言ってフローラは、愛おしそうに二人をぎゅっと抱きしめた──。

最後まで読んでくださって本当にありがとうございました!!

何度もこのお話は書きながら泣いていました。

楽しさも苦しさも、そして喜びも幸せも……たくさん教えてくれました。

皆様、本当にありがとうございました!



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新連載を開始したので、よかったら、応援いただければと思います。

『旦那様、離縁していただきます!~恋愛傷心中の私を癒してくれた氷の魔術師団長様が、私を好きってほんとうですか?~』

https://book1.adouzi.eu.org/n8026ky/

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