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いいなずけ無双~中身が小学生男子な学園一の美少女と始める同居生活が色々とおかしい~  作者: ひだまりのねこ


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第六十四話 ご褒美ください

「ちょっと調べ物をしてくる」


 モテ歴ゼロの俺にとってこの状況はさすがに許容オーバーだ。


 頭を冷やして冷静になろうと自室へと向かう。


 皆、今はお土産の限定ひだにゃんに夢中なので、俺の言葉など誰も聞いていないから独りになるには好都合。



 

「ふう……なんか一気に許嫁が増えたな。撫子さん、桜花さん、葵、菖蒲、茉莉、ゆり姉、楓さん、雅先生、そして理子ちゃんは……俺を殺しに来た暗殺者らしいけどまあそれはそれとして……9名か……あと一人で二桁達成……ヤバいな俺」


 勢いで流されてしまったが、冷静になるととんでもない状況だ。石油王を通り越してハーレム系主人公じゃないのこれ?


 でも昨日まで国を救うなんて正直無理だろって思ってたけど、異能持ちの許嫁の面々を見ていたらあながち不可能じゃないのかもしれない。俺も……だんだん人間辞めてきてる自覚あるし。



「これ以上考えるのはやめだ……そもそも気分転換しにきたんじゃないか。よし、すあまの動画でも観て癒されよう」


 なんだかんだで結局食べられなかったからな……すあま。せめて動画で食べた気になるんだ。




 動画投稿サイトのアイチューブをすあま検索していると気になる動画チャンネルを発見。



「すあま系アイチューバー? なんだその魅惑的なパワーワードは!?」


 すあまに関する動画を配信しているすあま系アイチューバーの中でも、圧倒的な人気を誇るチャンネル。


 美少女アイチューバーすあまの『すあまチャン寝る~誤字にあらず』か……滅茶苦茶気になる。


 べ、別に美少女だからじゃないからな? 自分で美少女って、どんだけ自信あるんだよと違う意味で気になっているだけで、あくまで学術的な興味からの正当な調査であって。


 なんだと……チャンネル登録者数100万!? すあまってローカル和菓子なのにそんなに人気あるのか? いやまて……これは美少女アイチューバーすあまのファンが多いだけということかもしれない。っていうか絶対にそうだろ!!


 仮に本当に美少女だったとしても、こんなマイナーな話題のチャンネルがこんなに人気なのはおかしい。きっとピンク系の秘密があるに違いない……すあまだけに。


 とりあえず覗いてみるか……震える手で動画を再生する。


  

 ……おおう、想像以上にまともな内容じゃないか。すあまみたいなピンク髪の美少女が熱く語っている以外は至極まっとうな。いかがわしい内容をちょっとだけ期待していた自分が恥ずかしい。


 なるほどね……最後にすあまチャンが寝て終わるから誤字にあらず……なのか。


 シュールだが大変面白い。速攻チャンネル登録してしまった。なによりすあまチャンがめっちゃ可愛いし、抽選で当たるすあまのオリジナルグッズがすげえ欲しい。これは100万登録納得。



 そしてどうやらすあまチャンは、すあまを全国に広める活動をしているらしい。


 これは全力で応援しなければなるまい。すあま食べたことないけど。


 熱い想いそのままにメッセージとサイセンをすあまチャンに贈る。


 サイセンはアイチューブの投げ銭システムだ。


 まあ超人気のアイチューバーだからまったく返信は期待していないけれど、せめて応援の気持ちだけでも届いたらとは思う。



「くっ……すあま動画を観ていたら余計にすあまを食べたくなってきた。俺は馬鹿なのか?」


 我慢できずに、すあまチャンおすすめの店にネット注文してしまった。ふふふ、届くのが今から楽しみだな。



「……御主人さま? 何をニヤニヤしているんですか」


「ひぃい!? あ、葵……いつからそこに?」


「たった今ですけど……?」


「そ、そうか、それならいいんだ」


「はっ!? も、もしかして隠れていかがわしい動画を? 申し訳ありませんどうぞごゆっくり」


 真っ赤になって退出しようとする葵。


「いやいやいや、違うからね!? それより何か用事があったんじゃないの?」


「そうでした。お風呂の準備が出来ておりますので、奥さまが呼んで来いと」

 

「葵……もしかしてお風呂って皆で入るわけじゃないよな?」


「もちろんですよ」


 ふう……良かった。さすがの神メンタルをもってしても厳しいからな。


「私は夕食の準備があるので、今日は私以外の皆さまでお入りください」


 ……全然大丈夫じゃなかった。っていうか、まだデートすらしていないのに、いきなり一緒に風呂入るとか順番おかしくない?


 なんて今更言えるわけもなく。


「わかった。すぐに行くからって伝えておいてくれる?」


「かしこまりました」


「たのむ」




「あの……ご主人さま」


「ん? 葵どうした」


「一緒にお風呂に入れない葵にご褒美いただけませんか?」


 静かに目を閉じる葵。


 ちょっと待て、これはどう考えても俺の方がご褒美じゃないのか?


 いや問題など無い。あるわけない。葵がご褒美だと感じるのであれば応えるのが許嫁そして雇い主としての務めなのだから。一人だけ一緒に風呂に入れないんだから、ご褒美は正当だと思うんだ。


 風呂に一緒に入ってもご褒美、入らなくてもご褒美、どう転んでもご褒美とか死角がないじゃないか!! まさにご褒美無双、ご褒美チートシステム万歳!!



「わかった。葵には感謝してるんだ。こんなことで良いならいくらでも……」


「嬉しいです……御主人さま」


 何度でも言おう。これは俺のご褒美。

  

「おい、みこちん遅いじゃないか……って、何をしているんだ?」 


 な、撫子さん!?

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― 新着の感想 ―
[良い点] これだけ女の子がいるのに、メインヒロインがちゃんとメインにいるのが素敵です! [気になる点] しかし次回はどうなるのか……。 楽しみです!
[一言] いやぁこれまたハチャメチャな予感( ´∀` )
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