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いいなずけ無双~中身が小学生男子な学園一の美少女と始める同居生活が色々とおかしい~  作者: ひだまりのねこ


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第百二十一話 キアラさんと二人旅 

「じゃあ出発するヨ命」 


 出発前に少々……いやかなりバタバタしたけれど、ようやく出発だ。


 うーん、あれほど心配していたキアラさんとの二人旅も気にならなくなったし、結果的に雅先生の思惑通りだったってことなのかもしれない。


 結界のある場所は地図には載っていないので、通常の方法では転移できないけれど、許嫁となった今なら、キアラさんの記憶を使って転移するという技も使える。そして一度行けば、次からは自力でも行けるようになる。


 もちろん、結界の中へは直接転移できないので、まずは結界の入り口にあたる山の麓へ飛ぶことになるのだが……。



「ちょ、ちょっと待て命、転移するだけなのになぜここまでする必要が?」 


 二人一緒に転移するためには、お互いに隙間がないくらい抱き合った状態でキスしながらでないと難しい。勘違いしないで欲しいが、俺がそうしたくてそうなったわけではない。


「すいませんキアラさん。まだ使い始めて二日目なので、安定していないんです」


 すあまたちと違って、俺はまだ慣れていないんだよな。自分だけならともかく、他の誰かと一緒にというのは別次元というくらいかなり難しい。


「そうなのか……じゃ、じゃあ仕方ないネ」


「そうよ~。だからその予行練習も兼ねていたんだから~」


 さすが雅先生。そこまで考えて行動していたんですね。てっきり遊んでいるのかと……


「いいや、後付けだヨ、間違いない」


 長い付き合いのキアラさんがそういうのならそうなのでしょうね……俺もそう思います。



 さて、いざ出発となるのだが……


「命……あまり神気を注がれると気絶してしまうから……優しくしてネ?」


 ぐはっ、か、かわいい……これがあのポーカーフェイスで有名なキアラ監督なのか?


 テレビ越しでは絶対に見ることが出来ない生の魅力……いまだに夢を見ているような気分だ。


 でもたしかに気絶されたら転移は出来ないし危険だから、加減を間違えないように注意しないと。



「じゃあ二人とも頑張ってね~!!」


「行ってくるヨ」

「行ってきます」


 雅先生の見送りを受けながら……


 転移!! ……出来ませんでした。



「……天津くん、キアラ気絶しているわよ~?」


 くっ……まだ強すぎたんだ。


 目覚めのキスでキアラさんを起こして、再度チャレンジ。


「命……私を殺すつもり?」


 顔を上気させ呼吸の荒くなったキアラさんはめちゃくちゃ色っぽい。


「すいません……キアラさんがその……可愛すぎて……」


「も、もう……仕方ないわネ」

 

「……おーい、二人とも~日が暮れちゃうわよ~?」


 雅先生の呆れ声に背中を押されて


 今度こそ……転移!!

 


◇◇◇



 澄んだ空気が鼻から入ってくる。小鳥のさえずりが耳をくすぐる。


 周囲を見渡せば、雄大な山脈と豊かな自然に囲まれた村の入り口に俺たちはいた。



「驚いた……本当に一瞬で転移出来るなんて……ねえ命、ちなみにどれくらいまで飛べるんだネ?」


 期待に瞳を輝かせながらたずねてくるキアラさん。当然抱き合ったままだから、ちょっと恥ずかしい。


「えっと……試したことはないので正直どこまでというのはわからないんですけど、はっきりとしたイメージがあればたぶん距離に関係なく行けるんじゃないかと……」


「フム……まだ時間もあるし、ちょっと試してみないか?」


 ああそうか。キアラさん移動が多いから……そういうことなら協力してあげたいよな。


「いいですよ、どこへ行きます?」


「そうだな……とりあえず沖縄のキャンプ地まで」


 いきなり沖縄か……相当距離あるけど大丈夫かな?


「わかりました。じゃあ失礼しますね」


「ふえっ!? あ……そうだった……ち、ちょっと待て、心の準備が……」


 わたわたしているキアラさんとキスしながら転移。



「おお……沖縄でも一瞬とはネ。今度から航空券払い戻しして高級ステーキを食べようかナ……」


 相当な金額になりそうですね……バレたら怒られそうですけど……


「でもやっぱり、キアラさんのイメージがはっきりしていたので、転移はしやすかったです」


「なるほど……となると、初めて行く場所の場合、転移は使えないか……」


 残念そうな表情をみると何とかしてあげたくなるよな。飛行機での長時間移動は過酷だと聞いたことあるし。


「そうですけど、俺が一度行った場所なら飛べるんで、ソフィアに協力してもらって、可能な限り行ける場所や国を増やしますから。あ……それに、呼んでもらえればキアラさんの居る場所へは転移出来るんで、帰りは迎えに行けますよ」


「命……お前は本当に良い命だネ」


 瞳をウルウルさせているキアラさん。


 良い命か……撫子さんの良いみこちんを思い出すな。


「じゃあ、確認出来ましたし、戻りましょうか?」


「いや待て、国外へ行けるかどうか、今後のためにも一応試しておいた方が良い」


 それもそうか。いざという時に仕えなかったら困るしな。もしかしたら国内限定の力という可能性もゼロじゃないし。


「どこへ行きます?」


「スペイン」


 ……いきなり遠すぎるんですが? お隣の国とかじゃ駄目なんでしょうか?


「メッシュの試合が観たい」


 なるほど……その手があったか。っていうか俺も一度生で観てみたいと思っていたんだよな。


「ふふふ……スタジアムへ転移すれば良いんですね?」


「ムフフ、命、お主も好きよのう?」



 キアラさんと試合を生観戦した。メッシュがハットトリックを決めて劇的な逆転勝利。しかもキアラさんの超詳しい解説付きだ。もうめっちゃ最高!!!




「え? キアラたちまだ着いてないの~? もう、一体どこで道草くっているのかしら~?」



 その後、雅先生にサッカー観戦していたのがバレて、めっちゃ怒られました。反省。

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― 新着の感想 ―
[一言] 気持ちはわかる(;'∀') でも転移で道草ダメよ(;'∀') というか不法入国(;'∀')
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