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第四十七話 織田VS浅井

……お市が婚約している設定をすっかり忘れ、結婚していない体で進めていたどうも野央棺です。

十話前の話なのにもう覚えていないとか、どんだけ記憶力悪いんだか。

感想で指摘されて見直したのに、一度目は見逃しているという体たらく。

すいませんでした!


お市とは婚約していない設定で行きたいと思いますので、お願いします。


 織田軍は部隊を二つに分け、一方は横山城を包囲に向かい、片方は浅井軍一千を迎え撃った。

 横山城に大多数の将兵が向かい、浅井軍に当てられたのは梁田広正、佐々成政、中条家忠、そしてそれを差配する為に”軍監衆”から俺と、俺の率いる”雑賀衆”だ。

 史実において、”八相山の退口”と呼ばれる戦が、始まるのである。

 まぁこれからやるのは撤退戦ではないんだが。

 浅井家一千に対して、織田軍鉄砲隊五百挺に、弓衆三十。

 更に、史実とは違い、既に本陣が龍ヶ鼻に退却出来ている為、騎馬隊百に、雑賀衆二百で対応する。

 浅井家が小谷に詰めさせていたのは六千程なので、千人引き出せたのは僥倖だ。

 これでこの千人を討ち取れば、浅井軍に大ダメージを与えられるだろう。


「――では第一番手を梁田殿、二番手に佐々殿、三番手に中条殿にお任せし、某は雑賀衆と共に遊撃致します。此度が戦は愚かにも突出してきた浅井軍一千の兵を殲滅し、敵軍の士気を落とす事が目的です。敵は歩兵や騎兵ばかり。……梁田殿等一番手には鉄砲隊三百を当てまする。敵を近寄らせず、鉄砲による遠くからの射撃で数を減らして下され」


 俺の言葉に、一番手を任せた梁田殿が頷く。


「お任せあれ! 一番手の(ほまれ)を任されたのです。必ずや応えてご覧に入れましょう」


 次に俺は二番手である佐々殿に向き、


「佐々殿、一番手の梁田殿の鉄砲隊が討ち尽くした後、梁田殿を後退させまする故、弓兵と鉄砲隊二百を使い、後続の浅井軍を殲滅して下され」


「応、任せてくれ! 鉄砲の運用は得意だからな」


 と、武闘派であり、信長の馬廻である黒母衣衆筆頭の佐々殿が闊達に笑う。


「第二手佐々殿と同時に、某が”雑賀衆”を率いて横腹を突きまする。中条殿は、それで崩れた敵を騎馬隊で殲滅して下され」


「承知した。策も無く突撃してくるだけの猪武者共に、織田が戦いを見せてやりましょうぞ」


 中条殿も、自信満々に頷く。

 俺は三人の将と、兵達を見渡し、


「――では、戦を始めましょうか」


 ニヤリと笑った。






 数刻後 八相山 


「――浅井軍先鋒、見えました! 既に鉄砲の射程に入っております!」


「鉄砲隊、既に弾込め完了しております!!」


 家臣の言葉に、一番手を任された梁田広正が頷き、


「頃合いや良し! ――鉄砲隊、放てぇぇぇええええ!!!」



 ――ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!



 梁田広正の指示に従い、三百もの銃が一斉に火を噴いた。

 戦場に響く轟音に浅井勢の兵士や馬が驚き動きを止め、降り注ぐ鉛玉に身体を貫かれる。

 三百という、この時代においては圧倒的な数の銃から放たれるそれは、頭や心臓に当たった者を即死させ、腕や足に当たった者の動きを阻害する。


「――敵半壊! 此方も打ち尽くしました!」


「良し! 後退し、内蔵助殿 (佐々成政の事)と部隊を入れ替える! 鉛玉に当たりたくなければ、疾く駆け後退せよ!」


「「「「オオオおぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」


 命令を達成した梁田率いる軍勢は、気勢良く撤退していった。





「――梁田殿は上手くいったらしいな。では、撤退を確認し、後続が来たら我等も鉛玉を喰らわせてやろうや」


「「「「――はっ!!!!」」」」


 撤退する梁田勢と、崩れる浅井家先鋒を見ていた第二番手である佐々成政は、嬉しそうに笑う。

 そして、直ぐに後続の浅井勢が見えてきた。


「――誰か、須藤殿の状況を知っている者は?」


「既に”雑賀衆”と共に、中腹に潜んでいるとの由!」


 成政の問いに、近くの家臣が答える。


「そうか。……では、鏑矢を放て!!」


 成政の指示に従い、鏑矢が大きな音を立てて放たれる。


「――放てえええぇぇぇぇぇっ!!」


 それが合図となり、鉛の弾丸が浅井勢に襲い掛かった。




ブックマーク、評価等していただければ嬉しいです。

宜しくお願いします。


この作品とクロスしております、ナカヤマジョウ様の『謙信と挑む現代オタクの戦国乱世』も投稿されております。

其方もご覧下さいませ。


http://book1.adouzi.eu.org/n6524ee/

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