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今世の俺は長女だから  作者: ビーデシオン
第二章「赤目のスエラ」
24/111

24 アーネス調査隊


 目を覚ました時、目の前にはダイアーがいて、心配そうにこちらを見ていた。

 ああ、さっきまで何をしていたんだっけ。

 確か俺は森の中にいて……そうだ。


「……アーネスは?」

「無事だ。今はまだ、別の部屋で寝てるよ」


 そっか、無事か。ならよかった。

 友達に何かあったら大変だからな。

 まあ、何かされかけたのは俺の方だけどさ、うん。

 別の部屋なら、何かあるってこともないだろ、うん。


「レーダ。率直に聞きたいんだけど」

「うん」


 質問か。そりゃまあ、質問するよな。

 夜中に突然子供が二人いなくなって、森の中で寝てたら。

 事情を聞かない方がおかしいもんな。


 いいぞ、答えようじゃないか。

 でもまあ、彼の名誉を傷つけない範囲の話にはするけど……


「アーネスに、何をされた(・・・・・)?」

「え」


 それは、ダイアーにしては珍しく。

 半分、断定しているような。

 アーネスが何をしでかしたか分かっているような言葉で、少しの怒気を含んでいた。


「君の服は、随分乱れていたじゃないか」


 一瞬、何を隠そうとしても無駄な気がして。

 隠そうとすれば、むしろ彼のしでかしたことを深刻にしてしまいそうな気がして。


「えっと、アーネスは……」


 俺はできるだけ客観的に。

 起こったことだけをダイアーに伝えた。


 俺自身は何ともないことを伝えるしかなかった。

 そうしないと、アーネスの身が危ない気がした。


「そうか……じゃあ僕は、彼とも話してくるよ」


 俺が全てを伝え終えると、ダイアーはそれだけ言って、俺の部屋を出ていった。

 俺は、ただその場で、ダイアーか、アーネスか、それともミナかノエルかが、俺の部屋にやって来るのを待つことしかできなかったけど。


 結論として、アーネスは、俺と顔を合わせることなく、村の方へ帰っていってしまった。

 その日は丸一日、自室にこもってしまっていたせいか。

 結局、ダイアーとアーネスが何を話したのかも、聞き出すことはできないまま。


 掛け布団にくるまって、アーネスのことを考えていたら、一日が終わっていた。


***


 外用シャツ! 広めのズボン!

 護身用兼、歩行補助用の木の棒!

 背負い袋に水袋! それと何かあった時用の包帯!

 フル装備! アーネス捜索隊、活動開始!


「どこ行くの?」

「げっ」


 そそくさと家から出ていこうとしたら、ミナに声をかけられた。

 まずいな……ばれる前に家を出たかったが、どうごまかしたものか……

 流石に、アーネスを探しに行くって言ったら止めるよな……


「なーんてね、あの子のところに行くんでしょ?」

「えっ、なんでわかるの?」


 やばい、あんまりに図星だったものだからそのまま聞いてしまった。

 ミナは目を細めて、やっぱりねって感じの表情だ。

 してやられた。


「朝からせわしなくしてたから、何となくそうかなって」

「そっか……」


 何となくで察せられてしまったら、それはもう敵わないな。

 親の勘ってやつだろうか。

 誤魔化そうとしている時点でダメなのかもしれない。


「行くんだったら、これも持っていきなさい」


 手渡されたのは、ベージュの布袋。

 中身はなんだ?

 きびだんごでも入ってるのか?


「これは……?」

「あまーいおやつよ。あの子にまた迫られた時に使いなさい」

「え、なんで?」


 迫られた時って……何を想定してるんだ。

 というかまたって、もしかして見てたのか?


「私って意外と博識なのよ? あの子の正体について、心当たりがあるだけ。とは言え、確信が持ててるわけじゃないから……これ以上は、あなた自身が調べなさい」


 正体……というと、やっぱり、アーネスのあの状態は、何かの影響を受けてたのか。

 うん、我ながら何もわかっていないな。

 ミナの言う通り、自分で調べるべきだろう。

 いや、それにしても……


「調べてきても、いいの?」

「元からそのつもりだったんでしょ? だったら、私からは止めないわ」


 なるほど、うちのママは放任主義というか、俺を自由にさせてくれるようだ。

 子供としてはありがたい限りだね。

 だったら、望み通り、自分で調べて、何とかして見せようじゃないか・


「でも、ダイアーには見つからないようにね。あの人、結構過保護だから」

「ははは……」


 今回のことを見る限り、それはそうなのかもしれないな。

 まあ、ダイアーのことも好きなのは間違いないし、心配かけない程度に、色々やってきますか。

 アーネス捜索隊改め、アーネス調査隊、出動だ!


 あ、ノエルはお留守番しててね。

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