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Lemon Candy
やる、と手渡されたのは
美しいガラスの小瓶だった。
「……これは?」
思わず首を傾げる。
あなたはそっぽを向くと
もらった、と眉根を寄せた。
「お前は甘い物が好きだから……」
手の中の小瓶がころりと鳴る。
やる、と俯く横顔がいとおしい。
「ありがとうございます」
わたしはほほ笑むと小瓶のふたを開けた。
さわやかな甘い香りに目をしばたたく。
「……キャンディですか?」
透けるような淡金色。
あなたはそっぽを向いたまま
あぁ、とそっけなく頷いた。
「……苦手だったか?」
黒い瞳にぼんやりとわたしが映る。
わたしはゆっくりと首を振った。
あぁ ―――
「……好きです」
あなたは知っているのだろうか。
キャンディを贈る、その意味を。
「大好きです」
わたしはまたにっこりとほほ笑むと
キャンディを口の中へ放り込んだ。
途端にむせる。
「すっぱ ―――っ!?」
日本語題:ポンコツと淡金色




