19/46
Get After
初開の相手に背負われて三途の川を渡る ―――
くだらない迷信だ、と思っていた。
キミの訃音を耳にするまでは。
「まさかそんな……」
信じられなかった。
信じたくなかった。
「どうして……」
キミはまだ若くて、美しくて。
死神も恐れをなすほどに
強く気高いヒトだったから。
それなのに ―――
からり、と白く月が鳴った。
渇いたグラスに酒を注ぐ。
「追いかけないと……」
暗い黄泉路をひとりで逝くのは
さすがのキミも寂しいだろう。
「大丈夫。そうそう長く待たせやしないさ」
からりからりと音が響く。
グラスの月に影が映る。
「だから ―――」
遅い、と不平を洩らす幻影を見て
ボクはほほ笑み、苦い酒を飲み干した。
日本語題:賽の河原で待つキミへ




