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哲考所  作者: 歌川 詩季
34/43

第33考.現代社会に転移してきたら

 現実的に考えると、いろいろめんどうそうです。



※noteにも転載しております。

 中世レベルの文化の異世界から、現代社会に転移してくる設定、ありますよね。

 んで、だいたい、さいしょに自動車に驚きます。

 馬などの動物に()かれていない、あんな金属の塊に人間が乗り込んで、高速で走る。そりゃあ、びっくりするでしょうよ。


 だけど。

 車輪がまわっているのを見れば。なにものかに()かせる以外の、なんらかの動力によって走っている「車」であることは、理解できることと思います。

 だとしたら、ほんとに驚くべき——というか、不可解に思うものはほかにあるのでは?


 建築物や、舗装された道なんかも、「違う技術」のもとに造られたとすれば、異文化の産物として受け容れることができるでしょう。衣服のデザインだってそうです。

 ですが、彼らの世界にはおそらくそれにあたるものが存在しなかったであろう、「あれ」を目にしたなら。


 あ、スマホとか、こまかいものではないですよ。

 あくまで、現代社会に触れて、その第一印象でのはなしです。

 飛行機や、ヘリコプターはたしかに驚くでしょうが、そんなものがたまたま空を飛んでいるところに出くわすことは、特殊な立地でもなければ、あまりありませんし。

 でも、視線の方向としては、そっち。

 ちょっと見上げてみてください。

 なにかありませんか?

 場所によっては、もう少なくなって。今では上空とは逆の、地中に埋めてしまっているかもしれませんが。



 電線ですよ。



 地面からにょきにょき立った、高い石柱から石柱へと渡された、何本もの謎の線。きっと、その用途はわからないでしょう。

 空高く張り巡らされてはおりますが、天空からの外敵を退けたり、その襲来を知らせるのに足りるほどの密度はありません。


 (かご)を吊るしてひとやものを運ぶにしては、滑車や乗り場も見あたりませんし。なにより、あんな「車」があるのなら、そちらで運べばいい。山や森などの、平地以外の地形でもなければ必要ないはずです。



 電気の存在を知って、それを動力として利用することを思いつき、線によってその電気を送り出す。

 そこまで考えが及ばなければ、電線の正体は特定できません。

 だとしたら自動車なんかより、よっぽど不可解な代物(しろもの)ですよね。


 中世レベルの文化の異世界からいらした、転移者のかたがたの頭をずいぶんと悩ませることでしょう。

 密入国者ですからね(汗)

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― 新着の感想 ―
[一言] 電線はエライのです。重要な電気品なのに、あれだけ太い電線を世界中に張り巡らすので、安くないといけません。 パソコンのチップには大金はたきますが、電線は限られた材料から知恵を絞ったテクノロジー…
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