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哲考所  作者: 歌川 詩季
17/43

第16考.好きな漢字 その1「串」

 お酒は飲みませんが、飲み屋さんの料理は好きです。



※noteにも転載しております。

 漢字には、象形文字としての性質があるんですが。

 その手法というか、形を文字への落とし込みかた。それが、あんまりしっくりこないんです。

 例えば。


①「人」


 二本足なのは、わかります。

 四本足の、獣との区別がつくという意味では、必要十分とさえいえるでしょう。

 ですが。


「大」


 四肢と呼ぶように。両脚だけでなく、両腕もまた我々には重要なものです。

 「大の字になる」なんて、言い回しもありますし。漢字を知らなければ、むしろこちらのほうを「ひと」と読んでしまうと思います。


 ○

 大


「○」を頭として乗っければ、まさに「ひと」!

 でも漢字で「○」は無いでしょう…って考えたら。半濁音(ぱぴぷぺぽ)の「○」があるから、そうとも言い切れないかも。

 頭部分を、「○」ではなく。「口」にする手もあるんじゃないかとか、考えていましたところ。

 体の一部でしかないのに、むしろ全身ぽい漢字がありました。


「足」


 人間みたいですね。

 両脚あるし、一本しか書かれてないけど腕もある。

 私がそっち方面に(うと)いだけで、絵文字的に使われているんでしょう。

 ですが、単なる「ひと」の形ではなく


 左向きだと、走ってるふう。 足 ←

 右向きだと、歩いてるふう。 → 足


 そんな、ふたとおりの見方ができるのが、面白いですし。

(※ 踏み出す足を高くあげる、左向きのほうは。むしろ、忍び足っぽいという解釈もあるでしょう)

 やはり、何より。「あし」なのに、全身の象形に見立てることができるという意外さが、魅力です!


 でもこの字。

 さっきも申しましたとおり。絵文字的に、よく使われてそうです。よってここで、好きな漢字に挙げるのは。やっぱり、はばかられますね。


②「亀」


 この字は、惜しい!もうちょっと!ってかんじなんですよ。

「田」の部分が、甲羅を表すのは、見事ですが。


 何故、二両編成 ⁈


「田」ひとつでサイズが足りなかったら。ふたつをくっつけて、ひとつにして。横棒たくさんにすればいいのに。

 昆虫の体じゃないんだから、ひとかたまりに、かちっとしてこその甲羅だと思うんですよ。

 これだと、上半身と下半身。甲羅がふたつあるみたいじゃないですか?


…ビキニかよ!



 とまぁ。あれもだめ、これもだめ。

 じゃあ、結局。どの漢字が好きなんだ、といえば。

 あるんですよ、文句なしに好きな漢字。

 お酒を楽しみに、飲み屋さんに行くかたなんかは、なじみ深い字だと思います。


(くし)


 これまた、シンプルな字です。

 いいんですよ、シンプルで。

 シンプルなくせに、この字はちゃんと。大事なふたつのポイントを、しっかり押さえています。


(1)くし棒が、ものを貫通している

(2)くし棒が、ふたつ(複数)のものを貫通することにより、連結させている


 ほら。「くし」の機能を、過不足なく表現しているじゃないですか!

 特に、先端が突き抜けているところがいい!


「ふたつだけじゃなく。もっと、たくさん刺してもいいよ」


ってやる気を感じます。

 シンプルかつ、必要十分。さらに機能の拡大使用も示唆(しさ)している。

 象形文字として、これほど完成度の高いものは。

 他にあるとしても、数えるほどではないかと思っております。

 でも、串がのどに刺さりそうで。

 根元のほうの具材、食べるのは難しくないですか?

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