第16考.好きな漢字 その1「串」
お酒は飲みませんが、飲み屋さんの料理は好きです。
※noteにも転載しております。
漢字には、象形文字としての性質があるんですが。
その手法というか、形を文字への落とし込みかた。それが、あんまりしっくりこないんです。
例えば。
①「人」
二本足なのは、わかります。
四本足の、獣との区別がつくという意味では、必要十分とさえいえるでしょう。
ですが。
「大」
四肢と呼ぶように。両脚だけでなく、両腕もまた我々には重要なものです。
「大の字になる」なんて、言い回しもありますし。漢字を知らなければ、むしろこちらのほうを「ひと」と読んでしまうと思います。
○
大
「○」を頭として乗っければ、まさに「ひと」!
でも漢字で「○」は無いでしょう…って考えたら。半濁音の「○」があるから、そうとも言い切れないかも。
頭部分を、「○」ではなく。「口」にする手もあるんじゃないかとか、考えていましたところ。
体の一部でしかないのに、むしろ全身ぽい漢字がありました。
「足」
人間みたいですね。
両脚あるし、一本しか書かれてないけど腕もある。
私がそっち方面に疎いだけで、絵文字的に使われているんでしょう。
ですが、単なる「ひと」の形ではなく
左向きだと、走ってるふう。 足 ←
右向きだと、歩いてるふう。 → 足
そんな、ふたとおりの見方ができるのが、面白いですし。
(※ 踏み出す足を高くあげる、左向きのほうは。むしろ、忍び足っぽいという解釈もあるでしょう)
やはり、何より。「あし」なのに、全身の象形に見立てることができるという意外さが、魅力です!
でもこの字。
さっきも申しましたとおり。絵文字的に、よく使われてそうです。よってここで、好きな漢字に挙げるのは。やっぱり、はばかられますね。
②「亀」
この字は、惜しい!もうちょっと!ってかんじなんですよ。
「田」の部分が、甲羅を表すのは、見事ですが。
何故、二両編成 ⁈
「田」ひとつでサイズが足りなかったら。ふたつをくっつけて、ひとつにして。横棒たくさんにすればいいのに。
昆虫の体じゃないんだから、ひとかたまりに、かちっとしてこその甲羅だと思うんですよ。
これだと、上半身と下半身。甲羅がふたつあるみたいじゃないですか?
…ビキニかよ!
とまぁ。あれもだめ、これもだめ。
じゃあ、結局。どの漢字が好きなんだ、といえば。
あるんですよ、文句なしに好きな漢字。
お酒を楽しみに、飲み屋さんに行くかたなんかは、なじみ深い字だと思います。
「串」
これまた、シンプルな字です。
いいんですよ、シンプルで。
シンプルなくせに、この字はちゃんと。大事なふたつのポイントを、しっかり押さえています。
(1)くし棒が、ものを貫通している
(2)くし棒が、ふたつ(複数)のものを貫通することにより、連結させている
ほら。「くし」の機能を、過不足なく表現しているじゃないですか!
特に、先端が突き抜けているところがいい!
「ふたつだけじゃなく。もっと、たくさん刺してもいいよ」
ってやる気を感じます。
シンプルかつ、必要十分。さらに機能の拡大使用も示唆している。
象形文字として、これほど完成度の高いものは。
他にあるとしても、数えるほどではないかと思っております。
でも、串がのどに刺さりそうで。
根元のほうの具材、食べるのは難しくないですか?




