表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その5 そりゃまあ冒険者だからこういうのも仕事だけど

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/251

レベル90-1 動きがないから動けなくなってしまいます

 悩んでいても次の日は来て、目先の問題に対応する事になる。

 小鬼の監視に赴き、動きがないかを確かめる。

 これが存外に大変な事なのは前日で十分に理解していた。

 見つからないように、というのは当然だが、一日中見張るというのはかなり辛い。

 動きがあれば何かしら注意を払えるものだが、それが全く無いと気力を保のが大変になる。

 人間、退屈に触れると気持ちがゆるんでいく。

 それはどうしようもない。

 どんな小さな事も見落とすまいと思っていても、自然と余計な考えが頭に浮かんでしまう。

 保存食も飽きただとか、寝床をもう少しどうにかできないかとか。

 それがまずい兆候だとは思っていても、打開する事もできない。

(何でもいいから、あいつらに仕掛ける事が出来たらなあ)

 物騒きわまりない事を考えてしまう。

 実行出来るわけもないが、今思いつくのはそれくらいだった。

 絵空事と言うしかない。



 他の者達も似たようなもので、監視には来てるが、どことなく空気がゆるんでいる。

 緊張し続けているのも無理があるが、必要以上にゆるんでしまうのも困りものだ。

 監視すべきは小鬼の群れだけではない。

 周りにモンスターなどが近づいてないか注意する必要もある。

 小鬼に動きがないとはいえ、野外にいるのだから危険の中にいるのは変わらない。

 それに、一見何の動きもない小鬼の群れも、実は何らかの活動が行われてるのかもしれない。

 警戒のしすぎかもしれないが、慎重すぎる事が問題だとはこれっぽっちも思えない。

(まさか、ってのを無視するからしくじるもんだしな……)

 失敗というのは、思いもがけない事が起こるから発生してしまう。

 まさかこんな事はあり得ないだろう、という思い込みが、まさかの出来事への対応を遅らせる。

 そもそも対応もしてないのだから、まさかの出来事が起これば手が出せない。

 大小様々な経験や、それこそ漫画やアニメのような創作物の中における出来事まで。

 それらを通してトオルは、神経質なんじゃないかと自分で自分を疑うほどに、あらゆる可能性を考えていた。



 ――――あり得ないこそが、あり得ない



 常々心がけてる、トオルの信条だった。

 だから考える。

 今、一番あり得ないのは何だろうと。



 とりあえず、監視をしてる群れを見る。

 一応集落らしくというか、テントのようなものが幾つか見える。

 それらの中で小鬼が生活してるのだろう…………と思っていた。

 しかし、よくよく見ると、外を出歩いてる小鬼の数に対してテントは少ない。

 あぶれた者が外で横になっていたりする。

 晴れてる日は良いが、雨が降ったらどうするのだろうと思ってしまった。

 また、数が多い。

 何度見ても変わらないのがその一点だった。

 合わせて五十匹ほどの小鬼を倒したのに、減ってるとは全然思えなかった。

 そのため、群れの大きさもかなりにのぼり、全体を見渡すのが困難だった。

 かなり身を寄せ合ってひしめき合ってるが、それでもトオル達の村一つよりも土地を占有してる。

 どうしても目が届かない場所が出てきてしまっていた。

(そこなんだよなあ……)

 トオルが不安を抱く部分である。



 サトシ達に説明したように、巨大だから維持するのが大変ではある。

 しかし、大きいという事はそれだけ強いという事でもある。

 また、どうしても全体を捕らえるのが難しくなる。

 今も群れの全てを目の中におさめられてるわけではない。

 特にトオル達のいるのとは反対側は全く見る事が出来ない。

 今、何かが起こっていたとしても、気づく事はできないだろう。

 監視をするにしても、どうしても限界がある。

 その限界の向こうで何かが起こるかもしれない。

 それが不安であった。

 もし、そちらの方で何らかの動きがあったら。

 トオル達では何の対応もとれない。

 それを防ぐ手立てはない。

 トオル達が何も出来なくても、小鬼達は好きに動けるのだから。

 その動きを封じる必要がある。

(でも、どうやって?)

 自分に問いかける。

 こちらから迂闊に動けない。

 動けば確実にやられる。

 そうならないようにするための方法はあるのか?

 こちらが有利に動けて、相手に主導権を与えない方法は?

 簡単に思いつくなら苦労はしない。

 でも、どうにかしてやるしかない。

 そう、やるしかないのだ。

 何かを。

 今日も14:00に続きを出します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ