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元勇者だけど可愛くない後輩に振り回されてます。  作者: ルド
第2章:自重知らずの決闘と復活の魔王と勇者。
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別ルートA――物語は【????】へ続く。

 本編とは一切関係ありません。

 立ち去った龍崎と零の話になりますが、一応龍崎の話です。

 読み飛ばしても影響はありませんが、よかったらどうぞ!

 修正:追加されたコードを四つから二つに変更しました。

「よかったのか? カードを渡して」


「ああ、いいんですよ。どうせ使いこなすの不可能でしょうし」


 異次元の通じて泉零を送り届けた龍崎。

 時刻は夜であるが気にしない零がふと龍崎に訊くと、本人は気にした風もなくあっさりと返した。


「いや分からんだろう。ジークさんの力とオレとヴィット、それにお前のまで追加して渡したんだ。何か起きるかもしれないぞ?」


「それは彼がオレのようにタイプだった場合ですよ。戦神の力が主体の彼では相反する力であるオレたちの力は全開では使えません。融合として使えるかも怪しいですし、出来てもスキルとして活用するくらいでしょうね」


「後輩の子のカードは使えてたようだぞ?」


「それは……愛の力ってやつじゃないですかねぇ? 彼女限定の」

「ほぼ一方的な気もするが、……そういうことにしておくか」


 深く考えてもしょうがない。

 とりあえず悪いようにはならないと零は納得することした。


「このまま帰るのか? なんならオレの奢りでご馳走するが」


「いやー実はまだ仕事が残ってまして……寄り道して帰るんですよ」


 零の提案に対して申し訳なさそうにする龍崎。

 帰る途中そんな素振りを一切見せなかったので不思議そうに零は首を傾げる。


「言ってくれたら手伝うのによ。……て、まさか」


 が何か察したようで疑問符だった顔が険しいものになる。

 向けられた厳しい視線に龍崎は困ったように笑みを浮かべるが、否定はしなかった。


「お気遣いだけで十分です。これがあの人から引き継いだオレの仕事ですから」








『な、何が起きた?』


 唖然とした魔神の老人が広がる光景に絶句した。

 別世界の使者からの要請で特製の兵器を送り込んだところ、途中【死神】に目を付けられて散々な目にあった。


 破壊者のように1機を粉砕されて、危うく自身も見つかりそうになったが、こうして無事に帰って見ればアジトである城がボロボロな姿で変わり果てていた。


『こんなことが……! おのれぇ!』


 膨らんでくるのは怒りと憎しみ。

 自身の城の無惨な姿に老人は杖も使わず中に踏み込んだ。


『な! なんということだ……!』


 そして中はもっと悲惨な光景となっていた。

 破壊し尽くされた機械の数々、ゴーレムに魔道具といった兵器などもバラバラにされている。


 特に貴重な素材や兵器などは奪われた形跡もあり、盗人行為の惨状が加熱していた老人の血圧をより一層引き上げた。

 

『ふざけおってぇ! いったい誰が……!』


 と叫んでいるとコツコツといった近付いて来る足音が響く。

 ハッとして振り返り機械兵器を動かす杖を構えたが、近付いて来た者の魔力を感じて思わず戦闘態勢を解いてしまった。


『な、なんだ。同族か(・・・)


「随分荒れてるな。盗賊にでも入られたか?」


『似たようなもんだ! 全くもう散々だわ!』


 辺りを見ながら不思議そうに呟いた青年に苛立ちを隠さず同意する。

 見覚えのない顔だが、魔力から魔神だと理解して無意識に警戒が緩んでいた。

 こいつも依頼で来た者のだと勝手に納得した。


『昔の知り合いの使者を名乗る奴の要望を答えたら【死神】に目を付けられるわ! 向かわせた兵器が全機破壊されるわ! 帰って見ればアジトが破壊されるわ!』


「ご立腹だな」


『貴様も同族なら手を貸せ! 残骸から敵の痕跡をすぐに割り出して――』


 ザクっと何かが老人の胸元を突き刺さった。

 神々しい光を放つ白金の刃で青年の腕に装着されている。

 なんでもない感じで近付いた青年が躊躇うことなく、老人の心臓へ刃を突き刺したのだ。


『な、なぜ……』


「勘違いしているようだから明かすが、オレは魔神じゃないぞ?」


 少し困ったような笑みを向けるが、いったい何を言っているのかと聖なる力と激痛で動けない老人が疑問をそのまま口にした。


『あ、あり得ん! 魔力が魔神のそれだぞ?』


「オレの特性なんだ。喰ったことある魔力(・・・・・・・・・)なら再現が出来る」


『喰ったこと? ……っ!? まさか貴様は!』


 最初は呆然としていた老人だが、喰ったという単語に覚えがあったか、驚愕の眼差しを青年へ向けた。


「さようなら――魔神パイル博士」


『【神喰い】の……龍崎ジっ――』


 ガブリと何かを食した音がした。

 次の瞬間、博士と名乗る老人魔神は姿を消して姿を変えた龍崎だけが残っていた。


「安心してくれ。貴方の遺産はオレがちゃんと有効利用するからさ」


 手首に装着された銀のブレスレットに触れる。

 そこには破壊の制裁ついでに回収した物が入ってある。


 だが、龍崎が開いたのは中身が分かる詳細画面。

 しかも、書き込まれているオリジナル魔法式に刻まれた『追加のコード』であった。


【窮極の決闘者】

【激闘勇者】


「クククククっ、面白くなりそうだ」


 何故か大地の力まで取り込まれているが、3人の力が合わさったコードを見ながら彼は小さく笑った。


 殺し技の師でもある魔王に似た笑みを溢しながら。



 物語は【神の弟子は魔法使い 〜オリジナルマスターの継承者〜】へ続く。

 夏の8月頃の予定です!

 変更もあるのでご注意ください!

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