プロローグ
「く、クリスマス……恋人の日。一年で最も愛が囁かれる日。恋人たちは愛を確かめ合い、その絆を強固する。私もいつか素晴らしい愛を知ることが出来るのかな? 運命の王子様と赤い糸で結ばれて、いつかのクリスマスに私も真実の愛を知りたいの。ああ、私の願いよ、天に届け――! …………こ、これでいいの!? これでいいんだよね!? こらそこの二人、目を逸らさない! 笑うな! 何か言ってよ、言ってください! 中学生の時に書いた黒歴史ノートみたいを読み上げたような恥ずかしさなんだけど! いやあああああああ!」
「あのな、恵ちゃん。修学旅行を台無しにしてくれた罰なんだぞ、これは。聞いてる俺達も恥ずかしくて悶えて……ぶふっ」
「耐え切れなくて笑ってるじゃん!? 梨花も何てもの書いてくれたのよほんと!」
「わ、私は良いと思うよ?」
「そんなフォローいらないから! あああああ、記憶から消し去りたいよー!」
「神聖なクリスマスに何てこと言うんだ!」
「うるさいよ!? それに私はどうせ独り身ですし……お兄ちゃんと比奈はクリスマス楽しく過ごしてきなさい!」
「あ、ありがとう……?」
「これもうわかんねぇな」




