64.カルラ視点
「かわいそう。捨てられてしまいましたね」
呆然とするユミルに私は近づいた。醜い裸体を隠そうともしないユミルに不快感がせりあがって来たので、取り合えずお腹に一発蹴りを入れておきました。
最近、痛みに耐性がついたみたいで、私が与えた傷のない痛みにもあまり反応しなくなってきて面白くありませんでした。
皇帝陛下の命令でここにユミルと罪人を一緒に入れて、いつものお仕事をさせていると、騎士が間抜けなカルヴァンを先導してくれたので全て上手くいきました。
唯一の希望を失ったユミル。絶望のどん底でもっと、もっと苦しめばいい。
あなたがお世話になった公爵家は私の家族を襲った賊と繋がりがあった。公爵は私の姉と母を奴隷として買い、道具のように殺した。
あなたが奴隷として可愛がっていたディーノは私の弟。見つけた時は驚いたけど、でも良かった。エレミヤ様が保護してくれた。奴隷から解放してくれた。
私とディーノは集落が賊に襲われた時、家族が守ってくれた。でも、逃げる途中でディーノとはぐれてしまった。何度、あの時の光景を夢に見たことか。
「・・・・・姉さん」
背後から近づいて、怒りで体を震わせる私を落ち着かせるように抱きしめてくれたのはあの時、失い、二度と取り戻せないと思った温もり。
「ディーノ」
「大丈夫、姉さん。もう、一人にしないから」
そう言ってディーノは私の涙を拭ってくれた。
「ありがとう、ディーノ」
もう二度と失わない。その為に私は私の悪夢を終わらせる。
ディーノのぬくもりを感じながら私は絶望に顔を染めるユミルを見る。
彼女は知らないだろうけど、私のおもちゃ箱には陛下がくれた公爵がいる。彼もユミルと同じように自殺防止と常に精神を正常に保つ魔法をかけてある。ああ、彼はユミルと違って狡猾だから喉は潰させた。
魔法で話せなくする方法もあったけど、それは嫌だったから。陛下にお願いして公爵の喉に大きな火傷を負わせた。そのうえで奴隷として売った。もちろん、私の目の届く範囲においてある。でないと楽しめない。
「そうだわ、彼女の顔を潰しましょうか」
見目の良い方が奴隷として高値がつくからそのままにしておいたけど、彼女は自分の美しさに執着している節がある。カルヴァンを篭絡させたのも自分の美しさの為だと思っていたみたい。
馬鹿ですよね。
トカゲは番なら豚でも人間でもブスでも美人でも気にしないのに。
「顔に傷をつけましょうか。それとも焼いてしまいましょうか」
「ぎゃあっ」
恐怖に顔を引き攣らせて、這って逃げようとするユミルの腕と足をディーノが出現させた氷の刃で貫いた。床に縫い付けられた彼女は逃げられず、「あ、あ、あ」と意味のない言葉を発するばかり。
遂には失禁してしまった。なんて、だらしないのでしょう。ちゃんと躾をし直さないと。
「姉さん。傷を負わせて火で炙るととても痛いらしいよ。僕にも仕返し、当然させてくれるよね」
「ええ。もちろんよ。姉弟で楽しみましょう」
ああ、何て充実した人生でしょう。




