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運命の番?ならばその赤い糸とやら切り捨てて差し上げましょう  作者: 音無砂月
第3章 運命の赤い糸は切るためにあります

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33.ユミル視点

私の名前はユミル。元は平民で今はカルヴァン様の番。公爵に養女にしてもらって貴族の仲間入りを果たした。

カルヴァン様は格好いいし、優しいから大好き。このままずっと私の幸せは続くものだと思っていた。

だけど、魔女が現れた。

意地悪で根性最悪のブス。

テレイシア王国王女エレミヤ。

あんな変なドレスを着てよく堂々と城内を歩ける。民族衣装みたいなものなんだろうけど、一人だけ違う恰好して目立ちたいだけでしょう。

逆に格好悪いし。

「ねぇ、お茶会の招待状は来てないの?」

「何通か届いています」

私の教育係だったグロリア女官長はエレミヤの怒りを買ってクビにされた。何十人もついていた私の侍女は今や数人だけ。

私は最低最悪の王妃によるいじめを受けている。

「随分と少ないのね。エレミヤが来るまではもっと多かったわ」

「エレミヤ王妃様か妃殿下とお呼びください、番様」

はぁ!?この女、侍女の癖に私に口答えするの。あり得ないんだけど。エレミヤがつけた侍女はみんな質が悪すぎる。

私はカルヴァンの番なのに。私に意見していいと思っているの。マジであり得ないんだけど。

「向こうだって、私のことを呼び捨てにしているじゃない」

「当たり前です。妃殿下は王族でこの国の王妃様なのです」

まるで私の方が格下のような言い方をする侍女。エレミヤの回し者ね。カルヴァンに言ってクビにしてもらおう。

「今日の予定は?」

「番様主催のお茶会が午後より入っております」

「そうだったわね。準備をするわ。ああ、それと行商を呼んで頂戴。次のお茶会用に新しいドレスと宝石を買いたいの」

「それはできません。既に番様に割り当てられた今月分のお金は使い果たしております。買うのでしたらまた来月にお願いします」

「はぁ!?ちょっと何寝ぼけたことを言ってんのよ!まだドレスを三着しか買っていないじゃない!それにそんなことを言われたこと一度もないんだけど」

私の言葉に侍女は煩わしそうにため息をついた。私が元平民だからって馬鹿にしているんだわ。自分だってたかが侯爵夫人のくせに。公爵令嬢である私よりも身分が低いじゃない。

「ドレス一着だけで平民の一か月分の生活費に相当します。それに、今までそういったことを言われていなかったのは王妃様が来るまでは民が納めた税金が予算関係なく使われていたからです」

またエレミヤね。どこまで私を虐めれば気が済むのよ。だいたいカルヴァン様に愛されないのは自分の性格が悪いせいじゃない。自業自得ね。

ああ、容姿も最悪ね(笑)。まぁ、容姿は仕方がないわ。神様からのギフトなんだもの。こればっかりは同情するけど。

「それが平民の仕事でしょう。私が平民だった時だってあんたらの為に働いて、税金を納めていたんだから」

「存じ上げております。ですが、それを私欲に使うのは犯罪です。税金は全て国の運営の為に使われなくてはいけません」

「私はカルヴァン様の番よ」

「ならば尚更、それに相応しい行動が求められます」

それではまるで私が相応しくはないと言っているようなものだ。何て最低な侍女なの。私程カルヴァン様に相応しい人はいないのに。

腹が立って私は近くにあった花瓶を手で払った。

花瓶は床に落ちて砕けた。まるで今の私の心みたい。エレミヤに虐められてズタボロに砕かれていく私の心。

恋に障害はつきものというけど、哀れな私。

「意図的であれ、そうでないにしろ物を壊された場合は予算から天引きされます。その花瓶の値段はドレス二着分の値段があるので来月はドレス一着だけ買えます。宝石類は小さい物であれば購入可能です。その場合はドレスの質を落とせば何とかドレスも購入可能です。オーダーメイドよりも既製品をお勧めします」

どこまで私を馬鹿にすればいいの。

不愛想で淡々と告げていく侍女には苛立ちしか感じない。私が元平民だからって馬鹿にして。自分が生粋の貴族だからって偉そうにして。同じ人間じゃない!こんなの差別だわ。

「・・・・行って。今すぐ出て行ってっ!」

侍女はため息をついた後部屋から出て行った。一人になった私は流れそうになる涙を必死に堪えた。

でも堪えようとすればするほど涙はせりあがって来る。結局、ぽたりと化粧台に涙が零れてしまった。

だけど、そんな私を慰めてくれる侍女はいない。私に好意的だった侍女はみんなエレミヤが解雇してしまったから。私はこの王宮で一人。なんて哀れなの。

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