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十章 お休みなさい 夢と希望(前編)
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二――枚。
あら、――大変。一枚足りない。
お客様を呼ばなければいけないのに、――困ったわね。
ああ、――そうだ。一人呼ばなければ、私のしたことがバレないわ。
申し訳ないけど、お客様の人数を『十二人』に――してもらいましょう。
「ごめんなさい! こんなつもりじゃなかったんです! お願いします! 許してください! 私が悪いんです! 全部私のせいなんです! 誰も悪くありません! お願い、返してください! みんなを!! ああ、どうしよう! 誰か! ターリア姫様が!! 誰か助けて!! ごめんなさい!! いくらでも謝ります! だからどうか……どうか、みんなを助けて!!」
泣き声は、闇の中へと消えた。




