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第6話 それは昔のこと
そっと触れてみる。
柔らかい肌に驚いて、指が痙攣する。
けれどすやすや眠る姿に、胸を撫で下ろして、また頬に触れる。
やわらかい。
緑の指が眠る子の肌に触れる。
やわらかい。
手を重ねてみる。
小さい。
髪の毛をなでてみる。
自分よりも綺麗な緑に感じた。
とても醜いものは彼女の猫に聞いた。こういう時、なんて言えばいいんだい?
猫は伝えた。
にゃー。それはにゃー。好きって言えばいいんだにゃー。
そうかい。
とても醜いものは、眠る彼女に言った。
スキ。ドロシー。
彼女は、眠り続ける。




